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令和8年度 東北大学 理学部 数学系 AO入試Ⅱ期大問1(3)

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東北大AO入試大問1(3)

この問題だけ別になってしまいすみません。

メインの記事はこちらです→ 令和8年度 東北大学 理学部 数学系 AO入試Ⅱ期について

$(3)$
$(2)$より,$F_i=\dfrac{1}{\sqrt{5}} \bigg\lbrace \bigg(\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\bigg)^{i+1}-\bigg(\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}\bigg)^{i+1} \bigg\rbrace $
表現形単純化のため,$\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}=\alpha,\hspace{7pt}\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}=\beta$とおく.$(G=\alpha)$

全ての$a_1,a_2$に対して,ある$k$が存在して,$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} a_k=0 \\ k<3+\log_\alpha{a_1} \end{array} \right. \end{eqnarray}$が成立するような正の整数$k$が存在することを示す.


初めて$a_k=0$となるような$k$の最大値が$3+\log_\alpha{a_1}$未満であるのは,与えられた式$a_{n} = q a_{n+1} + a_{n+2} \quad (0 \leqq r < a_{n+1})$
における$q$$q=1$とした場合である.(証明要
つまり,
$a_{n} = a_{n+1} + a_{n+2}$
を満たすように数列 $\{a_n\}$ が決定していく.

  • 途中のステップ(余り $a_{n+1} > 0$ のとき)
    割る数,余りがともに正の整数であるから,商$q$の最小値は$q = 1$である.
  • 最後のステップ($a_k = 0$ となり割り切れるとき)
    余りが $0$ になる最後の式は次のようになる
    $a_{k-2} = q a_{k-1} + 0 \implies a_{k-2} = q a_{k-1}$
    ここで,もし $q = 1$ だと仮定すると, $a_{k-2} = a_{k-1}$ となってしまう.
    しかし余りは割る数より小さくなるから絶対に $a_{k-2} > a_{k-1}$ でなければならない.
    したがって,$a_{k-2} = a_{k-1}$となる$q=1$は不適であり,正の整数の範囲で $a_{k-2}>a_{k-1}$を満たす商は$q\geqq2$となる.

ここで,新しい数列 $\{F'_k\}$ を逆向きに設定する:

元の数列対応する新しい数列大小関係フィボナッチ数列 $F$ との関係
$a_k = 0$$\geqq$$F_0 = 1$
$a_{k-1}$$=F'_0$$>$$F_1 = 1$
$a_{k-2}$$=F'_1$$>$$F_2 = 2$
$\vdots$$\vdots$$\vdots$
$a_3$$=F'_{k-4}$$>$$F_{k-3}$
$a_2$$=F'_{k-3}$$>$$F_{k-2}$
$a_1$$=F'_{k-2}$$>$$F_{k-1}$

上の表より,
$$a_1 = F'_{k-2} \geqq F_{k-2}$$が成立する.

ここで,目標の式 $\alpha^{k-3} < a_1$を示すべく,
次の不等式 $(\ast)$ を数学的帰納法で証明する.
$F_n \geqq \alpha^{n-1}\cdots(\ast)$

この不等式は後日この問題についてインターネットで調べた際に出てきたものです.
試験本番では(3)はほぼ全く解けませんでした.

$(ⅰ)$ $n = 1$ のとき
左辺は $F_1 = 1$ ,右辺は $\alpha^0 = 1$ となり,等号が成立する.
よって, $n = 1$ のとき $(\ast)$ は成り立つ.
$(ⅱ)$
$n = k$ および $n = k+1$ のときに $(\ast)$ が成り立つと仮定する.
すなわち,
$$F_k \ge \alpha^{k-1}, \quad F_{k+1} \ge \alpha^k$$
が成り立つと仮定する.
このとき, $n = k+2$ の場合を考えると,フィボナッチ数列の漸化式より,
$ \begin{aligned} F_{k+2} &= F_{k+1} + F_k \\ &\geqq \alpha^k + \alpha^{k-1} \\ &= \alpha^{k-1}(\alpha + 1) \\ &= \alpha^{k-1} \cdot \alpha^2 \quad (\because \alpha^2 = \alpha + 1) \\ &= \alpha^{k+1} \end{aligned} $
となる.
よって $F_{k+2} \geqq \alpha^{k+1}$ となり, $n = k+2$ のときも $(\ast)$ が成り立つ.
以上の (i), (ii) より,すべての自然数 $n$ について $(\ast)$ が成り立つことが示された.

この不等式を用いると,
$F_{k-2} \geqq \alpha^{k-3}$
ゆえ
$a_1 = F_{k-2}' > F_{k-2} \geqq \alpha^{k-3}$
これより,
$a_1 > \alpha^{k-3}$
が成り立つ.
したがって,両辺の底を $\alpha$ とする対数をとることで,
$\log_{\alpha} a_1 > k - 3$
が示された.

$q=1$$k$ が最大となることの証明:
問題文の数列 $\{a_n\}$ がとり得る「任意の商 $q_n \geqq 1$ を持つ正の整数列」を便宜上 $\{x_n\}$ とおく.
また,すべてのステップで商が最小(途中の項は $1$, 最終項のみ $2$)となる数列を $\{y_n\}$ とする.
同じ終了条件 $x_{k} = y_{k} = 0, \ x_{k-1} = y_{k-1} \geqq 1$ から逆向きに各項を比較する.


定義式および商の条件 $q_n \geqq 1$ より,途中の任意のステップにおいて次が成り立つ:
$x_{n-1} = q_n x_n + x_{n+1} \geqq x_n + x_{n+1}$
一方で,数列 $\{y_n\}$ の定義より,
$y_{n-1} = y_n + y_{n+1}$
終了項から逆向きに各項を評価すると,
$x_{k-1} \geqq y_{k-1}$
$x_{k-2} = q_{k-1} x_{k-1} \geqq 2 x_{k-1} \geqq 2 y_{k-1} = y_{k-2}$
$x_{k-3} \geqq x_{k-2} + x_{k-1} \geqq y_{k-2} + y_{k-1} = y_{k-3}$
数学的帰納法により,すべての $n$ について次が成立する:
$x_n \geqq y_n$
初期値が同じ($x_1 = y_1$)のとき,上式より数列 $\{y_n\}$ の減少速度が最も遅く,終了までのステップ数 $k$ は最大となる.
よって,この $\{y_n\}$(すべての商が $1$ のケース)において $k < 3 + \log_{\alpha} a_1\iff\alpha^{k-3}< a_1$ を示せば,任意の数列 $\{a_n\}$ においても十分である.$\blacksquare$

関連リンク:

東北大学 AO入試の2次利用報告について
東北大学 AO入試 過去問題
ラメの定理について(問題1(3))

投稿日:14日前
更新日:12日前
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