はじめに
少し前に考えた多重級数の関係式について書きます。主に連結和法を使って証明をしていきます。
本題
インデックスのいくつかの成分に、ドットをつけて、「ドット付きのインデックス」と呼ぶことにする。例えば(すべての成分にドットをつけても良い。)
以降、でまたはを表すことにして、ドット付きのインデックスの成分をと書く。
(ドット付きの)インデックスの矢印表記
ドット付きのインデックスに対して、矢印記号を次のように定める
空インデックスについては
矢印を回作用させることを
のようにあらわす
インデックスに対して、多重級数を次のように定める。
また、ドット付きのインデックスに対しては次のように定める。
ドット付きのインデックスに対応する級数表示を
と書くことにする
連結和
ドット付きのインデックスに対して、次のように連結和を定める。
に注意すれば、と書くこともできる。
を示せばよい。
ここで、両辺の範囲で和を取ることにより
が成り立つため、補題1においてとの立場を入れ替えればよい
を示せばよい。
したがって、の範囲で和を取ることにより
(ドット付きの)双対インデックス
非負整数を用いて、空でないドット付きのインデックスをと表したとき、の双対インデックスをにより定める。
次の定理がこの記事で最も述べたかった内容です。
双対性
矢印表記をしたときに、の直前が常にまたはであるようなドット付きのインデックスについて、次が成立する。
(補足)
系として、例えばこのツイートのような等式が分かります。
ツイート内容
と取ることで、はよく知られた多重ゼータ値の意味での双対インデックスになります.
終わりに
もう少し工夫をしてやることで、が複数ついた級数についての関係式が出せると思いますが
例えばこのツイート
、結構複雑になりそうなので、それについて書くのはまた別の機会にしようと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました.