フーリエ変換で積分を解いて見ましょう。
$$\int_{-\infty}^{\infty}\frac{\cos x}{x^2+1}dx$$
留数定理を使う方法もあるけど、フーリエ変換を使ってやっていくよ。
$$\mathcal{F}[f(t)](s)=\int_{-\infty}^{\infty}f(t)e^{-ist}dt$$
フーリエ変換が存在するには積分が絶対可積分であることが必要です。
この記事で扱う関数は絶対可積分なので気にしなくてもいいです。
$$f(x)=e^{-\left|x\right|}$$
この関数をフーリエ変換してみよう。
\begin{align} \mathcal{F}[f(x)](s) &=\int_{-\infty}^{\infty}e^{-\left|x\right|}e^{-isx}dx \\&=\int_{-\infty}^{0}e^{(1-is)x}dx+\int_{0}^{\infty}e^{-(1+is)x}dx \\&=\left[\frac{e^{(1-is)x}}{1-is}\right]^{0}_{-\infty}+\left[\frac{e^{-(1+is)x}}{-1-is}\right]^{\infty}_{0} \\&=\frac{1}{1-is}+\frac{1}{-1+is} \\&=\frac{2}{s^2+1} \end{align}
はい、フーリエ変換がわかりましたね。
$$\mathcal{F}[e^{-\left|x\right|}](s)=\frac{2}{s^2+1}$$
ここで、フーリエの反転公式を使います。
$$f(x)=\frac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}F(s) e^{isx}ds$$
ここで、$f$のフーリエ変換を$F$としている。
ここで、$f$は$s$で連続。
$f(x)=e^{-\left|x\right|}$として、フーリエの反転公式に当てはめてみましょう。
\begin{align}
e^{-\left|x\right|}&=\frac{1}{\pi}\int_{-\infty}^
{\infty}\frac{e^{isx}}{s^2+1}ds
\\&=\frac{1}{\pi}
\int_{-\infty}^{\infty}\frac{\cos sx}{s^2+1}ds
+\frac{i}{\pi}\int_{-\infty}^{\infty}
\frac{\sin sx}{s^2+1}ds
\end{align}
両辺の実部を比較して
$$\int_{-\infty}^{\infty}\frac{\cos sx}{s^2+1}ds=\pi e^{-|x|}$$
$x=1$を代入して
$$\int_{-\infty}^{\infty}\frac{\cos s}{s^2+1}ds=\frac{\pi}{e}$$
よって、
$$\int_{-\infty}^{\infty}\frac{\cos x}{x^2+1}dx=
\frac{\pi}{e}$$
はい、でましたね。
おしまい!!!!