はじめに
この記事は
🐟️🍊みかん🍊🐟️様のこの記事
を参考にしています。
直接的には(多分)無理
この記事
にもある通り、例えばを近似しようとして、
と不等式を作ったとしても、で順に、(大体)
みたいに全然うまくいかないのです。直接それだけを求めるというのは結構無理そうなので少しだけ変えた手法で近似しようと思います。
早速本題へ
とはいえ仕組みは結構単純なもので、の分子は変えずに分母をいじるだけです。
例えばを求めたいなら
とすればいいだけです。
懸念点
この式を見た瞬間に分かる人もいるとは思いますが、この積分、とが両方とも出るのでの近似が必要ですし、なんならその誤差をそのまま持ち越します。
何がともあれ実際にやってみよう
まずの近似が必要なので
で近似します。等々を近似するときに必要になるので、ここは精度よくにしましょう。(ちなみに計算結果は
参考の記事
にもあります。)
であることと、
であることから、
これを基にを計算するのですが、で計算すると
となりの7桁精度に見合わないくらい高い精度で出てきてしまいます。
(適当な小数表示 ほぼの誤差しか残ってないことが分かる)
何故
ここでこの謎を解明するためにをで割った余りに着目したいと思います。
とは言い難いもの
をで割る操作を筆算式で考えるとき、計算途中の余り(みたいなもの)を追うと、
、と変化していき、の項まで計算したときの余り(みたいなもの)の係数は、
となる。あとは、の項から定数項まで係数がであることを考えると、余り(みたいなもの)は順に倍されていくので、最終的な余りは
と表せる。
書き方が下手なんじゃ。まぁつまり何が言いたいかというと、の値が大きくなるほど、積分した際のの係数が存外大きくなるということです。求める際にはその係数で割るので、思ったより精度良く出てしまうということだったんですね。
の近似を既知とし、その誤差(上限と下限の差)をとする。このとき、の近似は
で計算でき、その誤差は
で与えられる。
とりあえず一般化したもの。ベータ関数の公式使うと結構すっきりしますね。
ちなみに降順もいけます。
の近似を既知とし、その誤差(上限と下限の差)をとする。このとき、の近似は
で計算でき、その誤差は
で与えられる。
おまけ1:実践的にどうなの
ということでこちらの問題です。
は整数か。のままだといろいろ大変ですのでこうしました。
この問題は言い換えると
を示せばよいことになるので、早速近似の準備をしましょう。
との近似はさっきのを使いまわします。計算量を出来るだけ削減したいならばの近似はでも十分です。
を求めよう
はの近似値が分かれば求められますがなのでもうわかってますね。なのでで十分。
予めで割ってあげると計算が楽です。
(小数表示)
を求めよう
なのでの近似値が分かればよいです。
の近似をするためにの値が必要ですが、なので分かっていますね。からで十分。色々整理して、
(小数表示)
よって、
であることが分かる。
を求めよう
といってもが近似できているのでさっきの公式をそのまま使うだけです。ここまでの値が大きければでも十分です。
(小数表示:)
あとはと比較
上記から、
であり、は、
参考の記事
から、(の場合を引用して、)
(近似の方法の説明は上記の記事に丸投げします。すみません。)
であるので、
が示された。
まだ結構余裕があるので計算量減らせそうですね。
おまけ2
月日は本学初代学長コナン・ロシュフォールの誕生日である.の 先頭桁がとなるような正の整数が存在することを示せ.ただし,がそのようなであることを示すためにを直接手計算する, という証明方法も認める.
(R6 国際信州学院大学理学部)
また国際信州学院大学です。
これも
を示せれば良いです。
(おまけ1までの計算結果は使いまわします。)
はで表せるので、
となります。
を求めよう
よりが求まればが求まります。
で近似すると
(小数表示)
より
を求めよう
,で近似すると
(小数表示:)
あとは
であるから、
よって示された。
おわりに
これが出来ることによってを有理数()としたとき、とかとかの近似が高校範囲でできます。実用性までは考えてません。あとこれやってると昔やってたマージゲームを思い出します。若干違うけど。そして
🐟️🍊みかん🍊🐟️
様には大変感謝です。
計算ミス等があれば教えてください。
参考
各学部の過去問 | 国際信州学院大学, 閲覧日2024年9月3日https://kokushin-u.jp/prospective-student/past-questions/
円周率を積分で近似計算する | 🐟️🍊みかん🍊🐟️, 閲覧日2024年9月3日 https://mathlog.info/articles/F5qZheDGn1M44uI6BFaD