ここでは東大数理の修士課程の院試の2014B09の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
2014B09
以下の問いに答えなさい。
- 正則関数の領域
の境界での積分を考えることで、任意のについて
が成り立つことを示しなさい。 - 積分
を計算しなさい。ただし必要であればであることは証明なしに用いて良い。
- まず
とおく。このときに反時計回りに向きを定める。
である。ここでは内に極を持たないからCauchyの積分定理により
である。上記の左辺の極限をとり、その実部と虚部を考えれば
が従う。 - まずについて-関数の性質と部分積分と(1)より
であるから、(1)で示した等式はについても成り立つ。よってこれにを代入することで
であることがわかる。