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東大数理院試過去問解答例(2014B09)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2014B09の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2014B09

以下の問いに答えなさい。

  1. 正則関数f(w)=ewwx1の領域
    Dε:={wC|Rew>0,Imw>0,ε<|w|<1ε}
    の境界での積分を考えることで、任意のx(0,1)について
    0tx1sintdt=Γ(x)sin(πx2)
    0tx1costdt=Γ(x)cos(πx2)
    が成り立つことを示しなさい。
  2. 積分
    0sintt32dt
    を計算しなさい。ただし必要であればΓ(12)=πであることは証明なしに用いて良い。
  1. まず
    C3=Dε{wC|Rew=0}
    C1=Dε{wC|Imw=0}
    C2=Dε{wC||w|=1ε}
    C4=Dε{wC||w|=ε}
    とおく。このときC=C1+C2+C3+C4に反時計回りに向きを定める。
    C1ewwx1dw=ε1εewwx1dwε0Γ(x)
    C3ewwx1dw=ε1εeiz(iz)x1idz=eiπx2ε1εeizzx1dz=(cos(πx2)+isin(πx2))ε1εzx1(cos(z)isin(z))dz
    C2ewwx1dw=0π2e1εeiθ(1εeiθ)x1iεeiθdθ0π2e1ε(1ε)xdθ=π2εxe1εε00
    C4ewwx1dw=0π2eεeiθ(εeiθ)x1iεeiθdθ0π2eεεxdθ=πεx2eεε00
    である。ここでfDε内に極を持たないからCauchyの積分定理により
    (cos(πx2)isin(πx2))ε1εezzx1ε1εzx1(cos(z)isin(z))dzε00
    である。上記の左辺の極限をとり、その実部と虚部を考えれば
    0tx1costdt=Γ(x)cos(πx2)
    0tx1sin(t)dt=Γ(x)sin(πx2)
    が従う。
  2. まずx(1,0)についてΓ-関数の性質と部分積分と(1)より
    0tx1sin(t)=1x0t(x+1)1cos(t)dt=1xΓ(x+1)cos(π(x+1)2)=Γ(x)sin(πx2)
    であるから、(1)で示した等式はx(1,0)についても成り立つ。よってこれにx=12を代入することで
    0sintx32dt=12Γ(12)=2Γ(12)=2π
    であることがわかる。
投稿日:202435
更新日:202435
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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