今回は、内部自己同型と共役についてやっていきます。自己同型の中には内部自己同型と外部自己同型というものがあり、そこから共役というものが定義されています。(共役という言葉は体のところにも出てきますが、それとかなり似たような定義です)
$G$を群とするとき、$G$から$G$への同型を自己同型という。$G$の自己同型全体の集合を$Aut\hspace{2mm}G$と書く。$\phi , \psi \in Aut\hspace{2mm}G$なら、その積$\phi\psi$を通常の写像の合成$\phi \circ \psi$と定義する。すると、$Aut\hspace{2mm}G$は恒等写像$id_G$を単位元とし、逆写像を逆元とする群となることが分かる。この$Aut\hspace{2mm}G$のことを$G$の自己同型群という。
$G$を群、$g \in G$とする。このとき、写像$i_g : G \rightarrow G$を$i_g(h) = ghg^{-1}$と定める。
$$ i_g(h_1h_2) = gh_1g^{-1}gh_2g^{-1} = i_g(h_1)i_g(h_2)$$
なので、$i_g$は準同型である。$i_{g^{-1}}$が$i_g$の逆写像であるから、$i_g$は同型である。
$G$を群とする。
$G$がアーベル群なら、すべての内部自己同型は恒等写像である。また、元$g$と共役な元は$g$のみである。
実際、$G$がアーベル群であるとすると、
$ \forall h\in G$に対して、
$i_g(h) = ghg^{-1} = hgg^{-1} = h$
となり、恒等写像になることが容易にわかる。ここから、$h$の共役な元が$h$であることもわかる。
ここで、一つの命題を見ていきます。非常に当然と言えば、当然なのですが、この命題を使って、内部自己同型群というものを定義したいので、書いています。
$G$を群とするとき、写像$\phi:G \rightarrow Aut(G)$を$\phi(g) = i_g$と定義する。このとき、$\phi$は準同型である。
証明
$g_1,g_2 \in G$とする。$h \in G$に対し、
$$ \phi(g_1g_2)(h) = i_{g_1g_2}(h) = g_1g_2h(g_1g_2)^{-1} = g_1g_2hg_2^{-1}g_1^{-1} = i_{g_1}(i_{g_2} (h)) = \phi(g_1)\circ \phi(g_2)(h) = \phi(g_1)\phi(g_2)(h)$$
となる。したがって、$\phi(g_1g_2) = \phi(g_1)\phi(g_2)$であり、$\phi$は準同型である。□
最後に内部自己同型群について定義をして今回は締めたいと思います。
$ \phi:G \rightarrow Aut\hspace{2mm}G$を命題1の準同型写像とする。
このとき、$Im(\phi) \subset Aut\hspace{2mm}G$を内部自己同型群といい、$I_{nn}G$と書く。
今回は以上です。