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カイ二乗分布の期待値

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自由度$k$のカイ二乗分布の期待値は$k$になります。
このことは、結果自体はよく統計学や数理統計学の本に載っていますが、証明はあまり載っていないので、自分で考えてみました。

自由度$k$のカイ二乗分布に従う確率変数を$W$としたとき、その確率密度関数は

$$ \begin{eqnarray} f(w)=\left\{ \begin{array}{l} \dfrac{1}{2^{ \dfrac{k}{2}}\Gamma \left( k/2\right) }w^{\left( \dfrac{k}{2}\right) -1}e^{-w/2}~~~~( w\geq 0) \\ 0~~~~(w<0) \end{array} \right. \end{eqnarray} $$

と書かれます。ここで$\Gamma (\alpha) $はガンマ関数です。

このとき$W$の期待値$E[W]$
$$ \int ^{\infty }_{0} wf\left( w\right) dw $$
$$= \int ^{\infty }_{0}\dfrac{1}{2^{\dfrac{k}{2}}\Gamma \left( k/2\right) }w^{\left( \dfrac{k}{2}+1\right) -1}e^{-w/2} dw $$
$$ = 2 \frac{\Gamma \left( (k+2)/2 \right)}{\Gamma \left( k/2\right)}\int ^{\infty }_{0}\dfrac{1}{2^{\dfrac{k+2}{2}}\Gamma \left( (k+2)/2 \right) }w^{\left( \dfrac{k+2}{2} \right) -1}e^{-w/2}dw $$
$$ = 2 \frac{\Gamma \left( k/2 +1 \right)}{\Gamma \left( k/2\right)}= 2 \cdot\dfrac{k}{2} =k $$
ここで、自由度$k+2$の確率密度関数の定義域全体上での積分が$1$になることと、ガンマ関数の性質$ \Gamma (\alpha +1 ) = \alpha \Gamma(\alpha)$を用いました。

投稿日:616
更新日:616

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taruza
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