自然数a,b,cで、
$$
\frac{1}{a}+
\frac{1}{b}+
\frac{1}{c}=1,\hspace{5pt}
a\leqq b\leqq c
$$
を満たすものを全て求めよ。
与式より
$1+a(
\frac{1}{b}+
\frac{1}{c}
)=a$
$
\frac{1}{b}+
\frac{1}{c}
=\frac{a-1}{a}$
同様に
$
\frac{1}{a}+
\frac{1}{c}
=\frac{b-1}{b}$
$
\frac{1}{a}+
\frac{1}{b}
=\frac{c-1}{c}$
これらを同時に満たし、与えられた条件をも満たすa, b, cの組は
$(a, b, c)=(2,4,4),(2,3,6)$
しかない筈だ。
念の為確認すると
単位分数の和は、
$\frac{1}{x}+
\frac{1}{y}
=\frac{x+y}{xy}$
$x+y=xy-1$となる時
$x(y-1)=y+1$
$x=\frac{y+1}{y-1}$
差が2で、大きい方の数が小さい方の数で割り切れる自然数の組は、1と3、2と4しかない。
従って、先程求めた2組以外に解はない。
Q. E. D.
■
$y-1=0$の時は矛盾する。
$x(y-1)=y+1$を満たす特殊なケースとして、$(x, y
)=(0, -1),(-1, 0)$が存在するが、これも解にならない。
しかし、解は3つある。
$a=b=c=3$の時も解てある。
$x=2$の時、$y=3$。
$x=3$の時、$y=2$。
では、なぜ
$a=b=c=3$の場合を見落としたのか?
実は、約分して$x+y=xy-a$になる場合がある。この場合
分子、分母をaで割ることができる。
$x+y=xy-a$
$x(y-1)=y+a$
$x=\frac{y+a}{y-1}$
$y+a-(y-1)=a+1$
差が$a+1$なのなら、
$y+a$と$a+1$の両方が$y-1$で割り切れる。
$y+a=k(y-1)$
しかし、今
$x+y=xy-a$より
$a=xy-(x+y)$
$\therefore y+xy-(x+y)=k(y-1)$
$x(y-1)=k(y-1)$
$y-1\neq 0$より
$x=k$
$\therefore x=\frac{y+a}{y-1}$
あ、なんか上手く行かない。
$y\geqq 4$の時
$a=xy-(x+y)$
$y=\frac{x+a}{x-1}$
$x+a\geqq 4(x-1)$
$3x\leqq a+4$
$\therefore a\geqq 3x-4$
対称式なので
$a\geqq 3y-4$
今$\frac{xy}{a}=n$かつ
$\frac{x+y}{a}=n$
よって、今考えている小さな自然数の範囲が十分小さいので、xもyもaで割り切れる。$x=\frac{y+a}{y-1}$
このような式を満たすaは、$-1、y-2、2y-3\cdots$
その時$x=2,1,3\cdots $。
$x=1$は不適。
$x=2$の時
$3y\leqq a+4$より
$2y\leqq 2$
これも不適。
$x=3$の時
$3(y-1)=y+a$
$y=\frac{a+3}{2}$
$a=3$の時$y=3$、しかもこの時x,y共にaの倍数なので、これは解になる。
これ以上aが大きいと、aはx, yの約数にならない。よって、これ以上大きなaを考える必要はない。
以上で、上記の3つ以外に解はないことが示せた。
$(a, b, c)=(3, 3, 3), (2, 4, 4), (2, 3, 6)$
Q. E. D.
■
私の力では、$(a, b, c)=(1, 1, 1)$の特殊解の謎が解けないと思ったが、何とか解けた。
勿論$a=3$であることは分かるのだが、そこからが長い。