0

群論1(群の定義)

32
0
$$$$

群論の定義

代数学の中でも基本となる群について解説します。

$ X$が集合であるとき、写像$\emptyset$$ X×X\rightarrow X$のことを集合$X$上の演算という。

写像というのは、ある集合からある集合へ移すためのルールのことです。定義の用語を使うのであれば、写像$\emptyset$$ X × X$という直積集合からXという集合へ移しますよ、と言っています。

演算が定まっている状況で、群について定義します。

Gを空集合はない集合とする。G上の演算が定められていて、次の条件を満たすとき、という。

  1. 単位元と呼ばれる元$e\in$Gがあり、すべての元$a\in$Gに対して、$ae = ea = a $となる。
  2. すべての元$a\in$Gに対して、$ab=ba=e$となるb$\in$Gが存在する。この元$b$のことを逆元という。この$b$$a^{-1}$と表します。
  3. すべての元$a,b,c \in$Gに対して、$(ab)c=a(bc)$が成り立つ。(結合法則)

上の演算$ab$のことを積といいます。単位元のことは$e$と書いたり、1と書いたり、$1_G$のように書いたりと本によって異なります。ここでは、単位元を$e$と表すこととします。

群には色々な性質があります。そのいくつかを紹介していきます。

$a,b$$G$の元で、$ab=ba$が成り立つとき、$a,b$可換であるといいます。$G$のすべての元が可換であるとき、$G$可換群あるいは、アーベル群といいます。これは、通常のかけ算が集合$G$の元であればできますよ、ということを言っています。アーベル群でない群のことを非可換群、または非アーベル群といいます。

ここまでは積について説明をしましたが、和に関しても同様に定義することができます。群の演算の$ab$の部分を$a+b$にすればよいのです。和における単位元は$0$または、$0_G$と表します。

$G = \mathbb{Q}\setminus\{0\} , \mathbb{R} \setminus\{0\} , \mathbb{C} \setminus\{0\} $は通常の積についてアーベル群で、単位元は1、$x$の逆元は$x^{-1}$である。

ただし、$G=Z \setminus\{0\} $は積について群になりません。なぜなら、$2 \in Z\setminus\{0\}$であるが、2の逆元である$\dfrac{1}{2}$$Z \setminus\{0\} $に存在しないからです。

$G=\{e\}$とし、$ee=e$と定義すると群になる。

この群$G$自明な群と言います。

最後に簡単な命題を証明して今回は終わりたいと思います。

$G$が群で$a,b,c \in G$なら次の(1),(2)が成り立つ。
(1)$ab=ac$なら$b=c$
(2)$ab=c$なら$b=a^{-1}c , a=cb^{-1}$

証明
(1)両辺に$a^{-1}$を左からかけてあげると、$b=a^{-1}ab=a^{-1}ac=c$
よって、$b=c$

(2)$a^{-1}$を左からかけてあげると$b=a^{-1}c$となり、$b^{-1}$をかけてあげると$a=cb^{-1}$が得られる。

(1)の性質は簡約法則といったり、消去律といいます。

今回は以上です。

投稿日:7日前
更新日:5日前
数学の力で現場を変える アルゴリズムエンジニア募集 - Mathlog served by OptHub

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。

投稿者

主に、高校数学から大学以降の数学について理解を深めるために記事を書いています。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中