高校数学では,微分積分学の基本定理を用いることで導関数を求められる問題がある.例えば,
・例題1:次の導関数を求めよ.
・例題1解答:
微分積分学の基本定理より,
高校範囲では解けない積分を,計算せずとも導関数を求められた.
では,次のような問題を見たことはないだろうか.
・例題2:次の導関数を求めよ.
・例題2解答:
微分積分学の基本定理より,
と,被積分関数に微分する文字が入っていると大変煩雑になる.
そこで,筆者は高校生の頃,次のことを考えた.
これを用いて例題2を解いてみると,
・例題2,別解:
と,かなり簡単に計算が出来た.
昔思いついた合成関数の微分を用いた証明も載せておく.
任意の
を得る.
関数
これを微分すると,先の公式より,
を得る.
ついでに,畳み込みの対称性
に従うことも示す.
より,
だから,畳込みの微分も同様に,
これを
これを利用すると,次の公式を示せる.