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2F1に関するKummerの定理, Gaussの第二定理, Baileyの定理

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超幾何級数の1における特殊値公式として, 以下のようなものがある.

Kummerの定理

2F1[a,b1+ab;1]=Γ(1+a2)Γ(1+ab)Γ(1+a)Γ(1+a2b)

超幾何級数のEuler積分表示より,
2F1[a,b1+ab;1]=Γ(1+ab)Γ(a)Γ(1b)01xa1(1x)b(1+x)bdx=Γ(1+ab)Γ(a)Γ(1b)01xa1(1x2)bdx=Γ(1+ab)Γ(a)Γ(1b)Γ(a2)Γ(1b)Γ(1+a2b)=Γ(1+a2)Γ(1+ab)Γ(1+a)Γ(1+a2b)
と示される.

次に12における特殊値を得るために以下の公式を示しておく.

Pfaffの変換公式

2F1[a,bc;x]=(1x)a2F1[a,cbc;xx1]

超幾何級数のEuler積分表示において, t1tと変数変換すると
2F1[a,bc;x]=Γ(c)Γ(b)Γ(cb)01tb1(1t)cb1(1xt)adt=(1x)aΓ(c)Γ(b)Γ(cb)01tcb1(1t)b1(1xx1t)adt=(1x)a2F1[a,cbc;xx1]
となって示される.

以下, 2つの12における超幾何級数の特殊値公式を示す.

Gaussの第二定理

2F1[a,ba+b+12;12]=Γ(12)Γ(a+b+12)Γ(a+12)Γ(b+12)

Pfaffの変換公式より,
2F1[a,ba+b+12;12]=2a2F1[a,1+ab2a+b+12;1]
ここで, Kummerの定理とLegendreの倍角公式を用いると,
2F1[a,1+ab2a+b+12;1]=Γ(1+a2)Γ(a+b+12)Γ(1+a)Γ(b+12)=Γ(12)Γ(a+b+12)2aΓ(a+12)Γ(b+12)
となって示される.

Baileyの定理

2F1[a,1ac;12]=Γ(c2)Γ(c+12)Γ(a+c2)Γ(1+ca2)

Pfaffの変換公式より,
2F1[a,1ac;12]=2a2F1[a+c1,ac;1]
ここで, Kummerの定理とLegendreの倍角公式を用いて,
2F1[a+c1,ac;1]=Γ(a+c+12)Γ(c)Γ(a+c)Γ(1+ca2)=2aΓ(c2)Γ(c+12)Γ(a+c2)Γ(1+ca2)
となるから定理を得る.

Kummerの定理, Gaussの第二定理, Baileyの定理はそれぞれ3F2の和公式であるDixonの和公式, Watsonの和公式 , Whippleの和公式 に拡張される.

投稿日:213
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Wataru
Wataru
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超幾何関数, 直交関数, 多重ゼータ値などに興味があります

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