主にAtiyah&Macdonald『可換代数入門』を参考に“操作の可換性”に関係した命題を証明抜きで集めたいと思います。独断と偏見によって、みなさんが使い慣れていると思われる命題は省いていきます。
囲われていない部分の言明は私が勉強する中で使ったものです。関連しているので載せていますが、間違いを含んでいる可能性があるので注意してください。間違いを見つけたらコメント欄で優しく指摘してあげましょう。
$a_i,a,b.c$をイデアルとすると次が成り立つ。
$((a:b):c)=((a:c):b)$
$(\bigcap_i a_i:b)=\bigcap_i(a_i:b)$
イデアル$a$に対し$r(a)$を$a$の根基を意味するものとすると、イデアル$a,b$に対して、
$r(a\cap b)=r(a)\cap r(b)$
また任意の部分集合$E_i$に対して
$r(\bigcup_i E_i)=\bigcup_ir(E_i)$
$f:A\to B$を環準同型、$a_1,a_2\subset A,\,b_1,b_2\subset B$をイデアルとする。
$a^e=f(a)B,\,b^c=f^{-1}(b)$とすると、
$(a_1+a_2)^e=a_1^e+a_2^e$
$(a_1a_2)^e=a_1^ea_2^e$
$(b_1\cap b_2)^c=b_1^c\cap b_2^c$
$S$を環$A$の積閉集合、$M$を$A$加群で$N,P$をその部分加群とすると、
$S^{-1}(N+P)=S^{-1}N+S^{-1}P$
$S^{-1}(N\cap P)=S^{-1}N\cap S^{-1}P$
$S^{-1}(M/N)\cong (S^{-1}M)/(S^{-1}N)$
特に$p$を$A$の素イデアルとすると、
$(M/pM)_p\cong M_p/pM_p\cong M\otimes_Ak(p)$
ただし、$k(p)$は$A$の$p$による剰余体。
$S$を環$A$の積閉集合、$M,N$を$A$加群とすると、$S^{-1}A$加群として、
$S^{-1}M\otimes_{S^{-1}A}S^{-1}N\cong S^{-1}(M\otimes_A N)$
特に$p$を$A$の素イデアルとすると、$A_p$加群として、
$M_p\otimes_{A_p}N_p\cong (M\otimes_A N)_p$
$S$を環$A$の積閉集合、$a,b\subset A$を$A$のイデアルとすると、
$S^{-1}(a+b)=S^{-1}a+S^{-1}b$
$S^{-1}ab=S^{-1}aS^{^1}b$
$S^{-1}(a\cap b)=S^{-1}a\cap S^{-1}b$
$S^{-1}(r(a))=r(S^{-1}a)$
さらに、$b$が有限生成イデアルであれば、
$S^{-1}(a:b)=S^{-1}a:S^{-1}b$
$M$を有限生成$A$加群で、$S$を$A$の積閉集合とすると
$S^{-1}(\rm{}Ann (M))=\rm{Ann}(S^{-1}M)$
$S$を積閉集合、任意のイデアル$a\subset A$に対して$S(a)$を$S^{-1}a$の$A$への縮約を表すものとする。これを$S$に関する$a$の充満イデアルという。このとき、次が成り立つ。
(1)$S(a\cap b)=S(a)\cap S(b)$
(2)$S(r(a))=r(S(a))$
(3)$S_1(S_2(a))=(S_1S_2)(a)$
以下更新中…