1
大学数学基礎解説
文献あり

Riemann-Siegelの積分公式とゼータ関数

105
0

はじめに

Riemann-Siegelの積分公式

01eiπt2+2iπtxeiπteiπtdt=eiπx2eiπxeiπxeiπx

(ただし、積分経路は0と1の間を通る傾き-1の直線を右へ進む。)

を示し、ゼータ関数の積分表示を導出します。

πs2Γ(s2)ζ(s)=πs2Γ(s2)01eiπx2xseiπxeiπxdxπ1s2Γ(1s2)01eiπx2xs1eiπxeiπxdx

有用なのかは、、謎。

この記事は
Edwards, H.M. (1974), Riemann's zeta function, Pure and Applied Mathematics
の7.4、7.9を参考にしています

積分公式を示す

次の周回積分を考える
Ceiπt2+2iπtxeiπteiπtdt

ただし、経路C=C1+C2+C3+C4で、図のようにとる。ただし、1<a,0<ϵ<1

この積分結果は、被積分関数がt=0に一位の極を持つことから、留数定理を用いて1となる。(割愛)

C1C3

求めたいのはaC1
他とC1の関係を見つける。

C3の経路は、C1の経路から、1引いたとこを通っている。(向きは逆)
なので、
C3=C1eiπ(t1)2+2iπx(t1)eiπ(t1)eiπ(t1)dt

変形すると、
=C1eiπt2+2iπtiπ+2iπxt2iπxeiπtiπeiπt+iπdt

=e2iπxC1eiπt2+2iπ(x+1)teiπteiπtdt

これ積分はxx+1に置き換えた時のC1になっている。

ということで、
f(x)=C1eiπt2+2iπtxeiπteiπtdt

としたとき、

C3=e2iπxf(x+1)

である。   

C2 と C4

C2eiπ(t22tx)eiπteiπtdt

aのとき、C2上を動くiπt2の実部が無限に大きくなる。
他のtが変数のとこは、t2が強いので無視。
よって、被積分関数は0に近づいてく。

んで結局、C4aで0になる。

漸化式

以上より、aのとき、

f(x)e2iπxf(x+1)=1

つまり

f(x+1)=e2iπx(f(x)+1)

 
それと結局f(x)は求めたい積分、

f(x)=01eiπt2+2iπtxeiπteiπtdt

になっている。

まだこれだけではf(x)は判明しない。

f(x)f(x+1)

もう一本f(x)f(x+1)の関係式を見つけたい。

気づきにくいけど、引くと約分できる。

f(x+1)f(x)=01eiπt2+2iπtx+2iπteiπt2+2iπtxeiπteiπtdt

=01eiπt2+2iπtx+iπt(eiπteiπt)eiπteiπtdt

=01eiπt2+2iπt(x+12)dt

変数変換t=u+(ϵu)i

=(1i)eiπ(u+(ϵu)i)2+2iπ(u+(ϵu)i)(x+12)du

=(1i)e2π(u2(ϵ+x+12+(ϵ+x+12)i)uiϵ22+ϵ(x+12))du

=(1i)eiπϵ2πϵ(2x+1)e2π(u2(ϵ+x+12+(ϵ+x+12)i)u)du

この積分はe(x2+sx)dxの形なので計算できる。
(複素数も混ざってるけど、ガウス関数のフーリエ変換とかの結果から(多分)いける。)

=(1i)eiπϵ2πϵ(2x+1)(12eπ(ϵ(2x+1)+i(x+12)2iϵ2))

=1i2eiπ(x+12)2

=1i2eiπ4eiπ(x2+x)

=eiπ(x2+x)

うまいこと色々消えてった。

完成!

よって、

f(x+1)f(x)=eiπx2+iπx

これに
さっきの式

f(x+1)=e2iπx(f(x)+1)

を代入すれば

e2iπx(f(x)+1)f(x)=eiπx2+iπx

解くと

f(x)=eiπx2+iπxe2iπxe2iπx1

分子分母eiπxをかける

f(x)=eiπx2eiπxeiπxeiπx

完成!

ゼータ関数との関係

以上の結果は、
01eiπt2+2iπtxeiπteiπtdt=eiπx2eiπxeiπx11e2iπx
とも書ける。
そして、ゼータ関数の積分表示を知ってる人なら、右辺二項目にxs1を掛けて積分したすぎて堪らないと思う。そうしたらゼータ関数の表示が得られるのではないか。

と、いうことで両辺その通り積分。
ただし、都合があって、積分は0からeiπ4まで。(斜めに動くということ。この表記はなんか変な気もするけど。)

左辺

左辺はしれっと順序を入れ替えて、

0eiπ4xs101eiπt2+2iπtxeiπteiπtdtdx

=01eiπt2eiπteiπt0eiπ4xs1e2iπtxdxdt

=(2iπ)sΓ(s)01eiπt2tseiπteiπtdt

左辺の変形はここまで。

右辺一項目

0eiπ4eiπx2xs1eiπxeiπxdx

天下り的だけど、次の積分を考える。

01eiπx2xs1eiπxeiπxdx

積分経路は0と1の間を通る傾き1の直線。

ここで、もし2<sなら、極が打ち消されます。よって、最初に示した積分のようなx=0での留数は0となる。
ということは、積分経路は0を通る傾き1の直線としても、問題ない。
が、自分もよく分かってないので、完璧な説明は出来かねる。すみません。

では、変形してく

=eiπ4eiπ4eiπx2xs1eiπxeiπxdx

=eiπ40eiπx2xs1eiπxeiπxdx+0eiπ4eiπx2xs1eiπxeiπxdx

=0eiπ4eiπx2(x)s1eiπxeiπxdx+0eiπ4eiπx2xs1eiπxeiπxdx

=0eiπ4eiπx2(xs1(x)s1)eiπxeiπxdx

ここで、uを実数とするとx=eiπ4uと、表される。このとき、x=e5iπ4u
となるが、主値をとるとx=e3iπ4u
よってx=eiπx
ここの説明も何か腑に落ちないけど。

そうすると

=0eiπ4eiπx2(xs1eiπ(s1)xs1)eiπxeiπxdx

=(1eiπ(s1))0eiπ4eiπx2xs1eiπxeiπxdx

ということで、

0eiπ4eiπx2xs1eiπxeiπxdx=11eiπ(s1)01eiπx2xs1eiπxeiπxdx

右辺ニ項目

0eiπ4xs11e2iπxdx

=0eiπ4k=1e2iπxkxs1dx

=(2iπ)sΓ(s)k=1ks

=(2iπ)sΓ(s)ζ(s)

きたーーゼータ関数だー

ゼータ関数の積分表示

以上を元の等式に適用すると

(2iπ)sΓ(s)01eiπx2xseiπxeiπxdx=11eiπ(s1)01eiπx2xs1eiπxeiπxdx+(2iπ)sΓ(s)ζ(s)

これだけでもゼータ関数の表示となってる。
が、もう少し変形する。

両辺(1eiπ(s1))を掛ける。
ここで、
(1eiπ(s1))(i)s=2sin(π(s1)2)
となることに注意

2(2π)ssin(π(s1)2)Γ(s)01eiπx2xseiπxeiπxdx=01eiπx2xs1eiπxeiπxdx2(2π)ssin(π(s1)2)Γ(s)ζ(s)  

今度はπ12Γ(1s2)を掛ける。

sin(π(s1)2)Γ(s)Γ(1s2)=π2s1Γ(s2)
に注意する。

πsΓ(s2)01eiπx2xseiπxeiπxdx=π12Γ(1s2)01eiπx2xs1eiπxeiπxdx+πsΓ(s2)ζ(s)

最後にπs2を掛ける

πs2Γ(s2)01eiπx2xseiπxeiπxdx=π1s2Γ(1s2)01eiπx2xs1eiπxeiπxdx+πs2Γ(s2)ζ(s)  

ゼータ関数の項を持ってくると、

πs2Γ(s2)ζ(s)=πs2Γ(s2)01eiπx2xseiπxeiπxdxπ1s2Γ(1s2)01eiπx2xs1eiπxeiπxdx

途中、2<sとか言ってたけど、上の式は負の偶数と0と正の奇数以外なら使える。

クシー関数の対称性

左辺をクシー関数

ξ(s)=12s(1s)πs2Γ(s2)ζ(s)

を使って書くと

2ξ(s)s(1s)=πs2Γ(s2)01eiπx2xseiπxeiπxdxπ1s2Γ(1s2)01eiπx2xs1eiπxeiπxdx

なんかs1sばっかだな、、ということで、

F(x)=πs2Γ(s2)01eiπx2xseiπxeiπxdx

としたとき、

2ξ(s)s(1s)=F(s)+F(1s)

らしい。(証明略)
なんともスッキリ。ここからクシー関数の関数等式が証明できる。なるほど。

感想

最後にかけて、適当っぽくなってすみません。
eiπ(ax2+2bx)の形が便利すぎる。
今回のf(x)ぼ漸化式もほぼこれによるものだし、積分も出来ちゃって、複素共役にも良いっぽい。
今回の話からはそれるが、楕円テータ関数もこの形がいい仕事してる。
擬二重周期が得られて、無限積表示、モジュラー変換式に繋がってく。

なんかまだ何かできそうな雰囲気があるなぁ。。

ここまで。間違いあれば指摘ください

 

参考文献

[1]
Edwards, H.M. , Riemann's zeta function, Pure and Applied Mathematics, New York-London: Academic Press, 1974, 147~170
投稿日:17
更新日:19
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

kanalysis
kanalysis
19
1050
数学者でもなければ大学生でも無い一般人

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. はじめに
  2. 積分公式を示す
  3. C1C3
  4. C2 と C4
  5. 漸化式
  6. f(x)f(x+1)
  7. 完成!
  8. ゼータ関数との関係
  9. 左辺
  10. 右辺一項目
  11. 右辺ニ項目
  12. ゼータ関数の積分表示
  13. クシー関数の対称性
  14. 感想
  15. 参考文献