東大数理の院試(2024年度専門A問4)の解答です.自分が作った解答は ここ に置いてあります.
実数tに対して,tを超えない最大の整数を[t]で表す.0<α≤1を満たす実数αに対して,広義積分Iα,Jαを次で定める.Iα=∫01(αx−[αx])dx,Jα=∫01(α[1x]−[αx])dx.以下の問に答えよ.
α=1のとき,Iαは収束し,その値が∑n=1∞{−1n+1−log(1−1n+1)}に等しいことを示せ.
Iα=αI1−αlogαを示せ.
Jαを求めよ.
(1)x=t−1と置換するとI1=∫1∞t−[t]t2dt=∑k=1∞∫kk+1t−[t]t2dt=∑k=1∞∫01t(t+k)2dt.ここで∫01t(t+k)2dt=∫01(1t+k−k(t+k)2)dt=log(t+k)+kt+k|01=−logkk+1−1k+1=−log(1−1k+1)−1k+1であるから示された.また(t−[t])/t2はt→∞の時O(t−2)だから,I1は収束する.
(2)x=αtと置換するとIα=∫01/α(1t−[1t])αdt=αI1+α∫11/α(1t−[1t])dt=αI1−αlogα−α∫11/α[1t]dt.右辺第3項は(1,1/α]において0<1/t<1だから,積分は0.よって示された.
(3)Jα=α∫01([1x]−1x)dx+∫01(αx−[αx])dx=−αI1+Iα=−αlogα.
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