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ゼータ関数の極限で遊ぶ

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$$\newcommand{di}[0]{\displaystyle} \newcommand{G}[0]{\Gamma} \newcommand{g}[0]{\gamma} \newcommand{ip}[0]{\varepsilon} $$

ゼータ関数の極限で遊ぶ

どうも、らららです。
ゼータ関数の極限を求めていきます。

$$\lim_{s\to1}(s-1)^2\zeta’(s)=-1$$

この記事ではこの極限の証明を書いていきます。

リーマンゼータ関数

$$\zeta(s)=\sum_{n=1}^{\infty}\frac1{n^s}\quad(\mathrm{Re}(s)>1)$$

大丈夫です、今回は発散級数を収束させません

イータ関数

$$\eta(s)=\sum_{n=1}^{\infty}\frac{(-1)^{n-1}}{n^s}\quad(\mathrm{Re}(s)>1)$$

イータ関数とゼータ関数の関係式があります。

$$\eta(s)=\left(1-2^{1-s}\right)\zeta(s)$$

証明は読者への課題とします。
偶奇分けすると証明できます。

イータ関数の特殊値を紹介します。

$$\lim_{s\to1}\eta(s)=\log 2$$

$\eta(s)$の定義域の$\mathrm{Re}(s)>1$を守るために極限をとっている

証明は読者への課題とする。
$\log(x+1)$のマクローリン展開を考えれば証明できる。

本題のゼータ関数の極限の証明をしていく

$$\lim_{s\to1}(s-1)^2\zeta’(s)=\lim_{s\to1}\frac{\zeta’(s)}{\frac1{(s-1)^2}}$$
$\di\frac{d}{ds}\frac{1}{1-s}=\frac{1}{(s-1)^2}$に注意してロピタルの定理を用いると
\begin{align} \lim_{s\to1}\frac{\zeta’(s)}{\frac1{(s-1)^2}}&=\lim_{s\to1}\frac{\zeta(s)}{\frac1{1-s}} \\&=\lim_{s\to1}(1-s)\zeta(s) \\&=\lim_{s\to1}\frac{1-s}{1-2^{1-s}}\left(1-2^{1-s}\right)\zeta(s) \\&=\lim_{s\to1}\frac{1-s}{1-2^{1-s}}\eta(s) \\&=\log2\lim_{s\to1}\frac{1-s}{1-2^{1-s}} \\&=\log2\lim_{s\to0}\frac{s}{1-2^s} \\&=\log2\lim_{s\to0}\frac{1}{-2^s\log 2} \\&=-1 \end{align}

でたー!!

ちなみにゼータ関数のローラン展開でも証明できます。
(あまり頭を使わず脳死で解ける方法)

おしまい!

投稿日:20231222
OptHub AI Competition

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適当に書きたいことを書きます。

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