東大数理の院試(2011年度専門問8)の解答です.自分が作った解答は ここ に置いてあります.
M(2,R)を2次の実正方行列全体のなす集合とし,写像f:R3→M(2,R)を次のように定める.f(x,y,z)=exp(xy+zy−z−x)写像fの微分が単射にならない点(x,y,z)の集合を決定し,それを図示せよ.
f(x,y,z)=expA,w=x2+y2−z2とする.A2=(trA)A−(detA)I=w2Iであるから,w=0の時はf(x,y,z)=I+A.w≠0の時はf(x,y,z)=∑n≥0A2n(2n)!+∑n≥0A2n+1(2n+1)!=∑n≥0w2n(2n)!I+1w∑n≥0w2n+1(2n+1)!A=cosh(w)I+g(w)A=(coshw)E1+g(w)(xE2+yE3+zE4).ここでE1=(11),E2=(1−1),E3=(11),E4=(1−1),g(w)=(sinhw)/wとおいた.g(0)=limw→0g(w)=1と見なせばこれはw=0でも成立する.E1,…,E4はM2(R)の基底であるから,fをf:R3→R4と見なせる.w≠0 の時はDf(x,y,z)=(xg(w)yg(w)−zg(w)g′(w)x2w+g(w)g′(w)xywg′(w)−xzwg′(w)xywg′(w)y2w+g(w)g′(w)−yzwg′(w)xzwg′(w)yzwg′(w)−z2w+g(w))→(xwg′(w)ywg′(w)−zwg′(w)g′(w)x2w+g(w)g′(w)xywg′(w)−xzwg′(w)xywg′(w)y2w+g(w)g′(w)−yzwg′(w)xzwg′(w)yzwg′(w)−z2w+g(w))→(xwg′(w)ywg′(w)−zwg′(w)g(w)000g(w)000g(w))であるから,単射でないのはg(w)=0,すなわちw=iπn(n∈Z∖{0})の時.w=0 の時はg′(w)=wcoshw−sinhww2=13w+O(w3)(w→0)よりDf(x,y,z)=(xy−zx23+1xy3−xz3xy3y23+1−yz3xz3yz3−z23+1)→(xy−z100010001)だからrankDf(x,y,z)=3.以上から答えは⋃n≥1{(x,y,z);z2−x2−y2=(nπ)2}.これはx=0上の双曲線z2−y2=(nπ)2をz軸の周りに回転させた曲面の和集合である.
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