相対論における流体について基本的なことを解説します。色んな教科書や論文に書いてることです。
相対論的流体を扱う場合はLagrangianを与えてE-L方程式を出すという方法はあまりしません。もちろん変分法で扱うこともできますがエネルギー運動量テンソルを与える方法が多いです。この記事でもエネルギー運動量テンソルの方法で述べます。エネルギー運動量テンソル
本記事の議論は4次元時空
相対論的流体を論じるための基本的事項です。まずunit timelikeベクトル場
で与えられます。テンソル
で与えられます。
また
となり、垂直成分を対称、反対称パートに分解すると
となり、対称パートをトレースパートとトレースレスパートに分けると
となります。ここで
とおくと、
が得られます。
Euler流体を相対論的に拡張したものが完全流体です。
時空
で与えれられるような物質のことである。
完全流体の満たすべき方程式
を
となり、垂直な成分は
となります。よって完全流体の運動方程式は
となります。
重力が非常に弱いとき計量は
速度場
と近似します。計量に関しては
平行成分は
となり、垂直成分は
となりEuler流体となります。
続いて完全流体に粘性項を加えたものが相対論的粘性流体です。
時空
で与えれられるような物質のことである。
より運動方程式は
となります。
垂直方向の運動方程式を弱重力近似することでNavier–Stokes方程式が出てきます。完全流体と同様の近似を使うと
となります。最後の項を計算していきます。
さらに
であり、
を使うと
となるから、
となります。これはNavier-Stokes方程式です(係数が標準的なものと少し違いますが)。