ごきげんよう!りーるるです。なんと、新シリーズです‼️
このシリーズは、僕が数年ぶりに高校の数Ⅲの教科書に書いてある極限の定義を見た際、なんか足りねえ!と思い、作問者の視点からも深掘りしたくなったために書くことにしました。
(
$_{a}\mathrm{C}_{b}$(フラワ)
に頼まれたからでもあります。)
このシリーズのタイトルに、極限とありますが極限の問題には様々なテーマがあり、他の単元と融合されることがほとんどです。数列の発散、収束をテーマにするものや、フラクタルのような図形と絡めたものがあったり、リーマン・ルベーグの補題みたいに積分と融合された大学範囲が背景のものもあります。
そのため、この記事には数Ⅲの全ての分野を含みます。ご了承ください。
今回はまず、「お気持ち」について触れます。
それでは本編スタートです。
まず、数列の極限は高校範囲内で、どのように定義されているのでしょうか、???
以下は、「合格ナビ!数学検定準1級1次 東京図書(数検協会監修)」にある一節です。
無限数列$\{a_n\}$において、$n$を限りなく大きくしたとき、$a_n$がある値$\alpha$に限りなく近づくならば、$\{a_n\}$は$\alpha$に収束する。または、数列$\{a_n\}$の極限は$\alpha$であるといい、$\alpha$を$\{a_n\}$の極限値という。収束しないとき、正の無限大に発散する。または、負の無限大に発散する。どちらでもないとき、数列は振動し、極限は存在しないという。
こう見てみると、かなり曖昧?というか感覚的ですよね。大学では $\epsilon-N$論法 と呼ばれるもので極限が再定義されます。(これについてはどこかのおまけ回で語るかもしれません!!)
とりあえず、数列がとある値に近づいていく(収束)、数列の絶対値ものすごく大きくなっていく(発散)、数列の正負が激しく入れ替わり、絶対値は大きくなっていく(振動)
という3つがあるんだなぁと思ってくれれば大丈夫です。
さらに、数列の極限には様々な性質があります。$\displaystyle \lim_{n\to\infty}a_n=a,\,\lim_{n\to\infty}b_{n}=b$ のとき、
さらに細かなものとして、はさみうちの原理があります。
数列 $\{a_{n}\},\{b_{n}\},\{c_{n}\}$ があり, ある自然数 $N$ が存在して、 $n\geqq N$ を満たすすべての$n$で
$$ a_{n} \leqq c_{n} \leqq b_{n}$$
が成り立ち、かつ$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\lim_{n\to\infty}b_{n}=k$ ($k$ は実数)ならば、
$$ \lim_{n\to\infty}c_n=k$$
が成り立つ。
多くの教科書では全ての$n$でとありますが、例えば、$n\geqq 4$ や $n\geqq 10000$ のように、とある自然数 $N$ 以上の全ての自然数 $n$ で成り立てばいいのです。今日はお気持ちなので、よく使う考え方を書いて関数の極限に移りたいと思います。
数列 $\{a_{n}\},\{b_{n}\}$ があり、 ある自然数 $N$ が存在して、 $n\geqq N$ を満たすすべての$n$で
$$ 0\leqq|a_{n}-k|\leqq |b_{n}|$$
が成り立ち($k$ は実数)、かつ$\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_{n}=0$ ならば、はさみうちの原理より
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=k$$
が成り立つ。
数列 $\{a_{n}\},\{b_{n}\},\{c_{n}\}$ があり、 ある自然数 $N$ が存在して、 $n\geqq N$ を満たすすべての$n$で
$$ 0\leqq|a_{n}-c_{n}|\leqq |b_{n}|$$
が成り立ち、かつ$\displaystyle\lim_{n\to\infty}c_{n}=k,\,\lim_{n\to\infty}b_{n}=0$ ($k$ は実数)ならば、はさみうちの原理より
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=k$$
が成り立つ。
定理2、定理3は数列や積分と極限の融合問題でよく見ますよね。
今の話($k$などの文字)は全て収束する場合の話です。$\infty$や$-\infty$ではないことに注意しましょう。例えば、$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_{n}=\infty,\,\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_{n}=\infty$ のとき、
$\displaystyle\lim_{n\to\infty}(a_{n}-b_{n})=0,\quad\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac{a_{n}}{b_{n}}=1$ とは限らないという話です。
(例$a_{n}=2^{n},\,b_{n}=n$)
これらのような形は不定形という。
発散についてなら、追い出しの原理と呼ばれるものもあります。
数列 $\{a_{n}\},\{b_{n}\}$ があり、 ある自然数 $N$ が存在して、$n\geqq N$ を満たすすべての$n$で
$$ a_{n}\leqq b_{n}$$
が成り立ち、かつ、$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_{n}=\infty$ ならば、
$$ \lim_{n\to\infty}b_n=\infty$$
が成り立つ。
これは高校範囲内では当たり前、と言っていいでしょう。(おまけ記事では $\displaystyle\lim_{n\to\infty}n=\infty$が自明なのかの話とかしたいですね!)
関数の極限に関しては少し数列の極限よりも複雑です。加えて関数の連続性というものについて考えていきましょう。
変数$x$が$x>a$を満たしながら、$a$に限りなく近づく、つまり$a$より右側から近づくことを$x\to a+0$で表す。特に$a=0$のときは$x\to+0$で表す。$\displaystyle\lim_{x\to a+0}f(x)=k$のとき、$k$を$f(x)$の$x=a$における右極限という。同様に、変数$x$が$x< a$を満たしながら、$a$に限りなく近づく、つまり$a$より左側から近づくことを$x\to a-0$で表す。$\displaystyle\lim_{x\to a-0}f(x)=k$のとき、$k$を$f(x)$の$x=a$における左極限という.
右極限と左極限が存在して、かつ$k$で一致するとき、それを$\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=k$と書き、$x$が$a$に近づくことの$f(x)$の極限は$k$であるという。 さらに、$f(x)$の$x=a$での右極限および左極限が収束し、その極限値が一致するとき、$f(x)$は$x=a$で連続であるという。
この、関数の極限の定義を見て、「数列のときにはなかった『右』とか『左』ってなんだよ!めんどくさいな!」と思った方もいるかもしれません。数列の場合は $n \to \infty$ というように「右側(正の無限大)」に向かってひたすら進むだけでしたからね。
しかし、関数において$x \to a$とある値に近づくとき、数直線上でアプローチできるルートは「右から」と「左から」の2パターンが存在します。そして、数学の世界には「どちらから近づくかによって、行き着く先が変わってしまう」という天邪鬼な関数が存在するのです。
代表的な例を見てみましょう。
関数 $f(x)=\dfrac{|x|}{x}$ について、$x=0$での右極限、左極限をそれぞれ求め、$f(x)$が$x=0$で連続か調べよ。
・右側から近づく場合($x>0$ から $0$ に近づく)
$x>0$ のとき $|x| = x$ なので、$f(x) = \dfrac{x}{x} = 1 $です。
よって、右側極限は $ \displaystyle\lim_{x \to +0} f(x) = 1$となります。
・左側から近づく場合($x<0$ から $0$ に近づく)
$x<0$ のとき $|x| = -x$ なので、$f(x) = \dfrac{-x}{x} = -1 $です。
よって、左側極限は $ \displaystyle\lim_{x \to -0} f(x) = -1$となります。
右極限と左極限が一致しないため、$f(x)$は$x=0$で連続ではない。
グラフの形状
連続か聞かれたら当然、連続の定義にそって考えるのが大事ですね。
少し飛躍しますが、かなり誤解というか定義を勘違いしている人が多いイメージの区分求積法について話します。早速ですが定義です。
$f(x)$ が閉区間$[0,1]$ で連続であるとき一般に次が成り立つ。
$$\lim_{n\to\infty}\dfrac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}f\left(\dfrac{k}{n}\right)=\int_{0}^{1}f(x)dx$$
ちなみになぜ、「閉区間」を強調したかというと、勘違いポイントだからですね。例えば$f(x)=\log{x}$では使えませんからね。(広義積分となる。)ですが広義積分は入試では可能性があるものなんですよね、例えばですが。
次の極限を求めよ。
$$\lim_{a\to\infty}\int_{0}^{a}x^{2}e^{-x}dx$$
となどと出題されれば合法的に広義積分が出せるわけです。
すみません。話が少しそれましたね。とまあ区分求積法が閉区間でのみ使えるということは知っておきましょう。この後に載せている練習問題でもそれを知らなければ大きく減点されそうな問題を置いておきましたので!
$$\lim_{x\to\infty}\left(1+\dfrac{1}{x}\right)^x=e$$
$$\lim_{h\to0}\dfrac{\log \left(1+h\right)}{h}=1$$
$$\lim_{h\to0}\dfrac{e^{h}-1}{h}=1$$
$$\lim_{x\to0}\dfrac{\sin{x}}{x}=1$$
さらっと重要事項をおさらいできたと思うので、以降、入試の問題や自作問題を置いておきます。この極限の記事の連作を完全にマスターできれば全部完答できます!!!
注意:これらの問題の順は、どのテクニックを使うか悟られないようにバラバラに配置しています。随時解いていってほしい!
自作は「
りーるる
」作成です。他の方の協力もあります。
(名前のリンク先はTwitter垢)
・
りよわ
次の極限を求めよ。
$$\lim_{x\to\pi}\int_{\pi}^{x}\dfrac{x+t}{\sin{(x+t)}}dt$$
次の極限を求めよ。
$$ \lim_{n\to\infty}n\int_{1}^{2}\log{\left(\dfrac{1+x^{\frac{1}{n}}}{2}\right)}dx$$
数列 $\{a_n\}$ を
$$ a_1 = 5, \quad a_{n+1} = \frac{4a_n - 9}{a_n - 2} \quad (n = 1, 2, 3, \cdots)$$
で定める。また数列 $\{b_n\}$ を
$$ b_n = \frac{a_1 + 2a_2 + \cdots + n a_n}{1 + 2 + \cdots + n} \quad (n = 1, 2, 3, \cdots)$$
と定める。
(1) 数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。
(2) すべての $n$ に対して、不等式 $b_n \leqq 3 + \dfrac{4}{n+1}$ が成り立つことを示せ。
(3) 極限値 $\displaystyle\lim_{n \to \infty} b_n$ を求めよ。
$t$ を正の実数として、定積分 $I(t)$ を
$$ I(t) = \int_{0}^{\pi} \frac{\sin x}{x + t} \, dx$$
と定める。このとき、極限
$$\lim_{t \to \infty} t^4 \left( I(t) - \frac{a}{t} - \frac{b}{t^2} - \frac{c}{t^3} \right)$$
が $0$ ではない実数に収束するような実数 $a, b, c$ および、そのときの極限値を求めよ。
$t$を正の実数、$n$を自然数とする。
(1)等式 $\displaystyle \lim_{t\to+0}t\log{t}=0$ を示せ。
(2)次の極限を求めよ。
$$ \lim_{n\to\infty}\dfrac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log{\left(\dfrac{k}{n}\right)}$$
関数
$$ f(x) = \int_{x}^{x+1} \log(4t^2 + 1) \, dt$$
に関して、以下の問いに答えよ。
(1) $f(x)$ が極値をとるときの $x$ の値を求めよ。また、そのときの極値を求めよ。
(2) 極限 $\displaystyle\lim_{x \to \infty} x \{ f(x) - f(x-1) \}$ を求めよ。
$n$を$2$以上の整数とする。平面上に$n+2$個の点$O, P_0, P_1, \cdots, P_n$があり、次の$2$つの条件をみたしている。
① $\angle P_{k-1}OP_k = \dfrac{\pi}{n}\;(1 \leqq k \leqq n),\;\angle OP_{k-1}P_k = \angle OP_0P_1\;(2 \leqq k \leqq n)$
② 線分$OP_0$の長さは$1$、線分$OP_1$の長さは$1 + \dfrac{1}{n}$である。
線分$P_{k-1}P_k$の長さを $a_k$ とし、$\displaystyle s_n = \sum_{k=1}^{n} a_k$ とおくとき、$\displaystyle\lim_{n \to \infty} s_n$ を求めよ。
次の極限を求めよ。
$$ \lim_{n\to\infty}\sqrt[n]{n}$$
$t$を正の実数とする。$f(t)=\sin\sqrt[3]{t}-\sqrt[3]{t}$と定める。
(1)$f^{\prime}(t)$が$t=0$で連続であることを示せ。
(2)次の極限を求めよ。
$$ \lim_{t\to0}\left(\dfrac{\sin{t}}{t}\right)^{\frac{1}{t^2}}$$
次の極限を求めよ。
$$ \lim_{n\to\infty}\cos^{n}\dfrac{\pi}{\sqrt{n}}$$
実数$a,b$に対し、次の極限値を実数全体で連続な関数$f(x)$を用いて表せ。
$$ \lim_{n\to\infty}n\int_{\sqrt[n]{a}}^{\sqrt[n]{b}}f\left(x^x\right)\,dx$$
関数$f(x)$を$f(x)=\dfrac{1}{2}\left\{1+e^{-2(x-1)}\right\}$とする。ただし、$e$は自然対数の底である。
次の極限を求めよ。
$$ \lim_{n\to\infty}\left(\int_{0}^{1}\sqrt[n]{1+x^{2}}dx\right)^n$$
$a_1 = \dfrac{1}{2}$ とし、数列 $\{a_n\}$ を漸化式 $a_{n+1} = \dfrac{a_n}{(1 + a_n)^2}$ $(n = 1, 2, 3, \cdots)$ によって定める。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) 各 $n = 1, 2, 3, \cdots$ に対し $b_n = \dfrac{1}{a_n}$ とおく。$n > 1$ のとき、$b_n > 2n$ となることを示せ。
(2) $\displaystyle\lim_{n \to \infty} \dfrac{1}{n} (a_1 + a_2 + \cdots + a_n)$ を求めよ。
(3) $\displaystyle\lim_{n \to \infty} n a_n$ を求めよ。
次の極限を求めよ。
$$\lim_{n\to\infty}\int_{\pi}^{2\pi}\dfrac{|\sin{nx}|}{x-\cos^2{nx}}dx$$
$n$ は $2$ 以上の自然数とする。関数 $y = e^x \cdots\cdots (\text{ア}),\;y = e^{nx} - 1 \cdots\cdots (\text{イ})$ について以下の問いに答えよ。
(1) $(\text{ア})$ と $(\text{イ})$ のグラフは第 $1$ 象限においてただひとつの交点を持つことを示せ。
(2) 第 $1$ 象限内で $(\text{ア})$ と $(\text{イ})$ のグラフおよび $y$ 軸で囲まれた部分の面積を $S_n$ とおく。このとき $\displaystyle\lim_{n \to \infty} n S_n$ を求めよ。
次の極限を求めよ。
$$ \lim_{n \to \infty} \left\{\dfrac{(3n)!}{n^{2n}n!}\right\}^{\frac{1}{n}}$$
以下の問いに答えよ。
(1) $n$ を $1$ 以上の整数とする。$x$ についての方程式
$$ x^{2n-1} = \cos x$$
は、ただひとつの実数解 $a_n$ をもつことを示せ。
(2) (1) で定まる $a_n$ に対し、$\cos a_n > \cos 1$ を示せ.
(3) (1) で定まる数列 $a_1, a_2, a_3, \cdots\cdots, a_n, \cdots\cdots$ に対し、
$$ a = \lim_{n \to \infty} a_n, \quad b = \lim_{n \to \infty} {a_n}^n, \quad c = \lim_{n \to \infty} \frac{{a_n}^n - b}{a_n - a}$$
を求めよ。
随時追加していきます。解答は後々現れると思うのでお楽しみに!
このシリーズはとても長くなる気がします。フラワの整数解放シリーズがうまくまとめられているのに対し、俺はまとめる力が足りず、めっちゃ章を増やしそうです💦
たくさん極限のテクニックを作問者目線からもお伝えできたらなと思っています‼️
では次回の記事で会いましょう!!またねー👋