この記事では、位数1-3の群について同型を除いてすべて分類していきます。ぼくが初学者なので泥臭くできるだけ簡単に調べます。
集合$G$について、次の4つが満たされているとき、$G$を群という。
単位元$e,e'$が存在したとき、$e=e'$である。
実際、$e*=e*e'=e'$
元とは、集合の要素のことをいいます。
また、位数とは集合$G$の要素の個数のことをいいます。集合$\{1,2,3\}$について、$1$は元であり、この集合の位数は$3$です。
位数1の群は定義より1通りしか存在しません。
まず、単位元 $e\in G$が存在しますが、それがすべてです。
つまり $G=\{e\}$の1通りです。
位数2の群は1通りしか存在しません。それを今から確かめていきます。
まず、単位元$e\in G$が存在します。$G$は単位元以外の元$a$を用いて、$G=\{e,a\}$と書けますね。
ここで、何通りか調べるために重要なのは演算表です。$G$にどのような演算が入っているのかを調べます。
ここで一度、演算表の例を出しましょう。
| - | 4 | 5 |
|---|---|---|
| 2 | ||
| 3 |
上の表は1行目と1列目による演算を表していて、1列目のもののほうが右から結合する演算です。また一番左上の$-$は演算方法です。
この表の場合、演算表を埋めると次のようになります。
| - | 4 | 5 |
|---|---|---|
| 2 | 2 | 3 |
| 3 | 1 | 2 |
ではこれと同じことを$G$で考えてみましょう。
| $*$ | $e$ | $a$ |
|---|---|---|
| $e$ | ||
| $a$ |
この演算表で、$e$は単位元になるので、どの元と演算してもその値を変えません。つまり、
| $*$ | $e$ | $a$ |
|---|---|---|
| $e$ | $e$ | $a$ |
| $a$ | $a$ | $ a*a$ |
と埋まり、$a*a$さえ定まればすべての演算が決まります。もし$a*a$が2通りあれば、位数2の群は2通りあるということになります。ここで、
ということを説明します。
$a*a=a$だとすると、$a^{-1}$を両辺にかけることで、$a=e$となり不合理になります。だから、$a*a$は1通りで、位数2の群も1通りだと定まります。 一般に演算表では、同じ行と列に同じ値を入れることはできません。例えば、$a*c=a*d$という結果を得たとき、$a^{-1}$を左からかけて、$c=d$を得るからです。このことは今後も使います。
さて、位数3の場合も同様に演算表を考えます。$G=\{e,a,b\}$と置きます。
| $*$ | $e$ | $a$ | $b$ |
|---|---|---|---|
| $e$ | $e$ | $a$ | $b$ |
| $a$ | $a$ | ||
| $b$ | $b$ |
まず先ほどの単位元の注意から上のように演算表が埋まりますね。
ここで行と列それぞれに同じ文字が入らないように気を付けると、1通りしか埋め方がないことがわかります。そして次のような表が得られます。
| $*$ | $e$ | $a$ | $b$ |
|---|---|---|---|
| $e$ | $e$ | $a$ | $b$ |
| $a$ | $a$ | $b$ | $e$ |
| $b$ | $b$ | $e$ | $a$ |
よって、位数3の群は1通りです。
さらに、よく注目すると、$b=a^2$と書けて、$a^3=e$となっていることがわかります。$G=\{e,a,a^2\}$となりますね。
ここで、次の用語を説明してこの記事の締めとします。
$G$を群とし、$a\in G$について、$ \langle a \rangle=\{a^n | n\in \mathbb{Z}\}$ とおく。
$ \langle a \rangle$ を$a$が生成する巡回群という。
先ほどの位数3の場合、$G=\langle a \rangle$であった。