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東大数理院試過去問解答例(2021A02)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2021A02の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2021A02

実数a>0に対し
Da=[0,a]×[0,a]
とする。またDa,θDaを原点を軸に反時計回りに角度θだけ回転させた領域とする。積分
f(a,θ)=Da,θ(ex3+y31)dxdy
g(a,θ)=Da,θ(x3+y3)dxdy
を考え、更に
Ma=maxθRf(a,θ)
La=maxθRg(a,θ)
とおく。

  1. La及びg(a,0)の値をaを用いて表しなさい。
  2. 極限
    lima+0Maf(a,0)
    を求めなさい。
  1. 初めに
    Da,θ(x3+y3)dxdy=D0,θ(xcosθysinθ)3+(xcosθ+ysinθ)3dxdy=2D0,θ(x3cosθ+3xy2cosθsin2θ)dxdy=a52cos3θ+a52cosθsin2θ=a52(cos3θ+2cosθsin2θ)=a52(cos3θ+2cosθ)
    であり、これはcosθ=23のときに最大値La=269a5を取る。また上記の式にθ=0を代入してg(a,0)=a52も得られる。
  2. 初めにルベーグの優収束定理から有界領域Dに対して
    D(ex3+y31)dxdy=D(x3+y3)dxdy+n=21n!D(x3+y3)ndxdy
    である。よってある定数Cを用いて
    LaMaLa+Cn=2a3nn!=La+C(exp(a3)a31)
    であるから、これにより不等式
    1MaLa1+exp(a3)a31La
    が従う。(1)から右辺第二項のオーダーは1であるから、これにより
    lima+0MaLa=1
    が従う。
    またある定数Dを用いて
    g(a,0)f(a,0)g(a,0)+D(exp(a3)a31)
    であるから、これにより不等式
    1f(a,0)g(a,0)1+exp(a3)a31g(a,0)
    が従う。(1)から右辺第二項のオーダーは1であるから、これにより
    lima+0f(a,0)g(a,0)=1
    が従う。
    以上から
    lima+0Maf(a,0)=lima+0Lag(a,0)=469
    がわかる。
投稿日:2024823
更新日:2024823
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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