$ p_i $を0から数えてi番目の素数とする。また$ q_i $は有理数とする。
$n=\displaystyle \prod_{i=0}^{\infty} {p_i}^{q_i} $と書けるとき、素微分$D$を以下のように定義する。
$$D(n) := n \displaystyle \sum_{i=0}^{\infty} \frac{q_i}{p_i} $$
また対数素微分ldを次のように定義する。
$$\mathrm{ld}(n) := \displaystyle \sum_{i=0}^{\infty} \frac{q_i}{p_i}$$
以下の関係式は明らか。
$$D(n) = n \cdot \mathrm{ld}(n)$$
※また、本記事の内容は 素微分友愛数となる相異なる自然数同士は互いに素 を前提としています。
素微分友愛数を探す、または非存在を証明する方法がまるっきり分からないので、素微分友愛数なら満たすような弱い性質を考えることにした。
着目したのは、素微分友愛数における対数素微分の性質である、
・$a$が素微分友愛数であることと、$\mathrm{ld}(a)\cdot \mathrm{ld}(D(a))=1$は同値
という性質である。
ここから正整数$n $の素微分上の知り合い(?)を定義する。
$n$と$m$が知人同士であるとは、以下が成り立つこと。
$n,m$が知人同士 $\Longleftrightarrow$ $n \cdot m=D(n)\cdot D(m)$
ちなみに知り合い要素は、素微分友愛数を弱めたものだからである。
(思い付きでの命名であるので、単語の衝突などがあれば申し訳ない。)
定義中の式を変形することで、$1=\mathrm{ld}(n)\cdot \mathrm{ld}(m) $が得られるため、$m=D(n)$とすれば、素微分友愛数の場合になる。
知人同士の例を挙げる。
$(6,20)\text{は知人同士} \Longleftrightarrow D(6) \cdot D(20)=5\cdot 24=6 \cdot20 $
$(27,4)\text{は知人同士} \Longleftrightarrow D(4) \cdot D(27)=4\cdot 27 $
知人同士の組には例があるので、自然数の条件を制限することで、素微分友愛数の性質も考えられるのではないかと思った。
ただ後述するが素微分友愛数の知人は少ない。
$\\$
上記はほぼ自明であるので、本題に入る。$\\$
非自明な素微分友愛数に関して、知人同士となる数はただ一つ
$a$が非自明な素微分友愛数、つまりは素微分完全数でない素微分友愛数であるとする。
まず素微分友愛数$a$については$D(a)$がその知人として存在している。
知人同士の定義より、
$a\cdot b = D(a) \cdot D(b) $
について、$b$の性質を考える。
$a$は非自明な素微分友愛数なので、$a,D(a)$は互いに素であり、また式の両辺が等しいことから、ある正整数cが存在して、
$c\cdot a\cdot D(a)=a\cdot b=D(a)\cdot D(b) $
とできる。
これにより、2つの式を得る。
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} c\cdot D(a)=b \cdots (1) \\ c\cdot a=D(b) \cdots (2) \end{array} \right. \end{eqnarray} $$
ここから、$c=1 $を示す。
式(1)を素微分し、式(2)と比較することで、
$D(c)\cdot D(a)+c\cdot D(D(a))=c\cdot a $$a$は素微分友愛数であったから、$ D(D(a))=a $より、
$D(c)\cdot D(a)+c\cdot a=c\cdot a $
$\Longleftrightarrow$ $D(c)\cdot D(a)=0 $
$\Longleftrightarrow$ $D(c)=0 \cdots (3) $または$D(a)=0 \cdots (4)$式(3)(4)について、素微分すると$0$になる正整数は$1$だけであり、$1$は素微分友愛数ではないので、式(3)より$c=1$が分かる。
$c=1$を式(1)(2)に代入することで$D(a)=b$かつ$a=D(b)$となり、素微分友愛数$a$と知人同士になるのは$D(a) $のみであることが分かった。
証明終
素微分友愛数と関係のある自然数を増やしたかったが、思ったより素微分友愛数としての性質が強いことが分かった。
なお、知人同士については以下のことが分かっている。