こんにち差、お久しぶりのn=1です。 youtube 始めました。今回は先日、任意の4次方程式が解けるようになったので、その記念にカルダノの方法とフェラーリの方法の気持ち、少しの飛躍部分の理由を解説していきます。
本記事は私がそれぞれの解の公式を導出したときに思いつかなかった部分、つっかえた部分をフォーカスしているので、人によっては自明かもしれません。
また、特に歴史的経緯を踏まえておらず、あくまで飛躍部分を自然に解釈できるように試みただけです。
それではまず、3次方程式$ax^3+b^2+cx+d=0\quad (a\neq 0)$について考えていきましょう。これは立法完成(3次のチルンハウス変換)をして2次の項を消します。
これにより$ax^3+b^2+cx+d=0 \Longleftrightarrow y^3+py+q=0$とできます。
ここからがカルダノの少し飛躍した部分で、$y=u+v$とします。$y$についての方程式に代入すると
$$
(u+v)^3+p(u+v)+q=0
$$
$$
u^3+3u^2v+3uv^2+v^3+p(u+v)+q=0
$$
$$
u^3+v^3+(u+v)(3uv+p)+q=0
$$
ここから、かっこ内と外でそれぞれ0になればよいので、
$$
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
u^3+v^3+q=0 \\
u+v=0\quad or \quad 3uv+p=0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
$$
$u+v=0$とすると$y=0$となり$q=0$となってしまうのですが、一般にはそうではないので$3uv+p=0$を採用して$v=-\frac{p}{3u}$となり、これを上の式に代入すると$u^3$についての2次方程式
($(u^3)^2+qu^3-\frac{1}{27}=0$)に帰着できるので、解けます。
まず、$y=u+v$と置いた部分です。解について考えたいので、$y$の解をそれぞれ$\alpha,\ \beta,\ \gamma$としてそれぞれについて考えていきます。すると、解と係数の関係より
$$
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha+\beta+\gamma=0 \\
\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=p \\
\alpha\beta\gamma=-r
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
$$
一番上の式より$\gamma=-(\alpha+\beta)$で中段に代入すると
$$
\alpha\beta=(\alpha+\beta)^2+p
$$
となるのでこれらを一番下の式に入れると
$$
(\alpha+\beta)^3+p(\alpha+\beta)-r=0
$$
ここから、もとの$y$についての式$y^3+py+q=0$に似ているので$y$をなんかしらの2つの文字で置けば今回の逆の手順で解けそうであると予想がたちます。
細かい部分を言うと、$r$が$-r$なのはそのような3次方程式の2つの値(今回は$u',\ v'$とする)をとってきたとすればよいですし、$u=-u',\ v=-v'$とすれば$y=u+v$とできます。
よって、$y=u+v$としました。
次に$u^3+3u^2v+3uv^2+v^3+p(u+v)+q=0$を$u^3+v^3+(u+v)(3uv+p)+q=0$とした部分です。これは2次方程式の解と係数の関係を考えると分かりやすく、$X^2+BX+C=0$の解$\alpha',\ \beta'$について
$$
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha'+\beta=-B \\
\alpha'\beta'=C
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
$$
このように和と積が分かっていれば$X$についての2次方程式の解として解けます。
さて、$u^3+3u^2v+3uv^2+v^3+p(u+v)+q=0$を因数分解しようとしたときに、元の$u^3+3u^2v+3uv^2+v^3$を全て$(u+v)^3$に戻してしまうと特に状況が変わらないので、$p(u+v)$があることから$u+v$で割れる組$(i)\ u^3+v^3=(u+v)(u^2-uv+v^2)$と$(ii)\ 3u^2v+3uv^2=3uv(u+v)$のどちらかで進めてみます。すると$(i)$は
$$
3u^2v+3uv^2+(u+v)(u^2-uv+v^2+p)+q=0
$$
$$
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
3u^2v+3uv^2+q=0 \\
u+v=0\quad or \quad u^2-uv+v^2+p=0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
$$
$(ii)$は
$$
u^3+v^3+(u+v)(3uv+p)+q=0
$$
$$
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
u^3+v^3+q=0 \\
u+v=0\quad or \quad 3uv+p=0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
$$
2次方程式の解と係数の関係を踏まえると$(ii)$は$u^3+v^3+q$と$3uv+p$で和と積なのに対し$(i)$は入り組んでいて自明ではないので、$(ii)$から進めていくと、カルダノの方法として3次方程式を求められます。
このようなことを4次方程式でも行うと$y=u+v+w$と置いて解けそうということが分かり、そこからうまい具合に3次方程式の解と係数の関係のように分解してあげる方法がオイラーの方法で、ここからも4次方程式は解けますが、初見にはこのうまい具合に分解するのが難しいのでお勧めしません。
まず
この記事(4次方程式をチルンハウス変換)
のように$ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0\quad (a\neq 0)$を$y^4+py^2+qy+r=0$の形にします。
$y^4=-py^2-qy-r$であり、フェラーリの少し飛躍した部分としてはここから両辺に$2ty^2+t^2$を足し
$$
y^4+2ty^2+t^2=-py^2-qy-r+2ty^2+t^2
$$
$$
(y^2+t)^2=(2t-p)(y-\frac{q}{2(2t-p)})^2-\frac{q^2}{4(2t-p)}-r+t^2
$$
となり、$-\frac{q^2}{4(2t-p)}-r+t^2=0$であれば$(y^2+\frac{t}{2})^2=(2t-p)(y-\frac{q}{2(2t-p)})^2$となり、これはそれぞれ2乗を外すと
$$
y^2+t=\pm(y-\frac{q}{2(2t-p)})\sqrt{2t-p}
$$
であるのでただの2次方程式、$-\frac{q^2}{4(2t-p)}-r+t^2=0$も
$$
-\frac{q^2}{4(2t-p)}-r+t^2=0
$$
$$
4t^2(2t-p)-4r(2t-p)-q^2=0
$$
$$
8t^3-4pt^2-8rt+4rp-q^2=0
$$
でただの3次方程式でそれぞれ解けるので、解けます。
いきなり両辺に$2ty^2+t^2$を足したと見える部分について解説します。$y^4+py^2+qy+r=0$から考えられることは、複二次式のように2次方程式に帰着させられないかと思うと$y^4+py^2+qy+r=(y^2+uy+v)^2-(\alpha y+\beta)^2$というふうな形にできれば$y^2+uy+v=\pm(\alpha y+\beta)$であとは2次方程式を解けば終わります。そのため$(y^2+uy+v)^2-(\alpha y+\beta)^2$を考えると
$$
(y^2+uy+v)^2-(\alpha y+\beta)^2=0
$$
$$
(y^4+2uy^3+(u^2+2v)y^2+2uvy+v^2)-(\alpha^2y^2+2\alpha\beta y+\beta^2)=0
$$
$$
y^4+2uy^3+(u^2+2v-\alpha^2)y^2+2(uv-\alpha\beta)y+v^2-\beta^2=0
$$
$y$についての4次方程式で3次の項はなかったので$u=0$と分かり、$(y^2+v)^2-(\alpha y+\beta)^2=0$なので
$$
(y^2+v)^2=(\alpha y+\beta)^2
$$
左辺について$(y^2+v)^2=y^4+2vy^2+v^2$となっています。
ここでもともとの形は$y^4+py^2+qy+r=0 \Longleftrightarrow y^4=-py^2-qy-r$であったので、両辺に$2vy^2+v^2$を足すと
$$
y^4+2vy^2+v^2=-py^2-qy-r+2vy^2+v^2
$$
$$
(y^2+v)^2=(2v-p)y^2-qy-r+v^2
$$
$$
(y^2+v)^2=(2v-p)(y-\frac{q}{2(2v-p)})^2-\frac{q^2}{4(2v-p)}-r+v^2
$$
ここからはフェラーリの方法の解説のときに行ったのとほぼ同じで、$(y^2+v)^2=(\alpha y+\beta)^2$のような形にするには$-\frac{q^2}{4(2v-p)}-r+v^2=0$でなければいけないのですが、これは$8v^3-4pv^2-8rv+4rp-q^2=0$と同値なのでこの3次方程式を解けばよく、この$v$のどれか1つを選べば
$$
(y^2+v)^2=(2v-p)(y-\frac{q}{2(2v-p)})^2
$$
が成り立つので、$v=t$として$2ty^2+t^2$を足したといった理由がありました。
ちなみに、$(y^2+v)^2-(\alpha y+\beta)^2=0$をそのまま展開し、$y^4+py^2+qy+r=0$の係数と合わせようとすると
$$
y^4+(2v-\alpha^2)y^2-2\alpha\beta y+v^2-\beta^2=0
$$
$$
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2v-\alpha^2=p\ \cdots(i) \\
-2\alpha\beta=q\ \cdots(ii)\\
v^2-\beta^2=r\ \cdots(iii)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} $$
$(i)$より$v=\frac{\alpha^2+p}{2}$、$(ii)$より$\beta=-\frac{q}{2\alpha}$でこれらを$(iii)$に代入すると
$$
(\frac{\alpha^2+p}{2})^2-(-\frac{q}{2\alpha})^2=r
$$
$$
\frac{(\alpha^2)^2+2p\alpha^2+p^2}{4}-\frac{q^2}{4\alpha^2}=r
$$
$$
4(\alpha^2)^3+2p(\alpha^2)^2+(p^2-4r)\alpha^2-q^2=0
$$
となり$\alpha^2$(つまり$2v-p$)についての3次方程式が求まることからも$u,\ v,\ \alpha,\ \beta$が求まるので$y^2+uy+v=\pm(\alpha y+\beta)$が出せて$y$の2次方程式に帰着させられます。
4次方程式のフェラーリの方法については、個人的には$2ty^2+t^2$を足すより$t'y^2+\frac{t'^2}{4}$を足した方が$t$についての3次方程式を解くとき$t'^3-pt'^2-4rt'+4rp-q^2=0$で係数が若干楽になるのでお勧めです。あと、 4次方程式をチルンハウス変換 を2回行った後の$Z^4+PZ+Q=0$の形から変形すると
$T^3-4QT-P^2=0$の$T$について解けばよく立法完成されているので解くのが少し楽になりますが、4次方程式の2回目のチルンハウス変換が大変なのでおすすめはしません。
以上でカルダノとフェラーリの気持ちについては終わりです。投稿を見てくださりありがとうございました。