上記の式は「非常に強力な武器(公式)として覚えておく価値が極めて高い」と言えます。
特に数理論理学の証明問題(十全性や式の変形)において、この関係式は「否定($\neg$)」と「同値($\leftrightarrow$)」や「矛盾($\bot$)」を橋渡しする唯一無二のルートになるからです。
なぜこれが重要なのか、3つの視点で整理します。
「覚える」前に、真理値表でその必然性を確認しておくと忘れません。
| $P$ | $\bot$ (常に偽) | $P \leftrightarrow \bot$ | ¬$P$ |
|---|---|---|---|
| 1 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 0 | 1 | 1 |
(一応、($P \leftrightarrow \bot$)$\Leftrightarrow$(($P$$\rightarrow$$\bot$)$\land$($P$$\leftarrow$$\bot$))
であることは言及しておく。)
表の右2列が完全に一致します。
つまり、「$P$ が偽(0)のときだけ、偽($\bot$)と同値になる」という性質が、そのまま否定の定義と重なるわけです。
この式を知っていると、以下のような「思考のショートカット」が可能になります。
・否定記号を消去できる: 証明問題で「$\{\leftrightarrow, \bot\}$ だけを使って表現せよ」と言われた際、即座に書き換えが可能です。
・「偽」の導入: 「否定をどうにかして表現したい」と思ったとき、「常に偽になるパーツ(矛盾式)」さえ作れれば、あとは $\leftrightarrow$ で繋ぐだけで否定が完成するという戦略目標が立ちます。
この定石には相棒がいます。あわせて覚えておくと、応用範囲が広がります。
否定: $\neg P \equiv P \leftrightarrow \bot$ ($P$ は偽と等しい)
肯定: $P \equiv P \leftrightarrow \top$ ($P$ は真と等しい)
※ $\top$ はトートロジー(恒真式)です。
九九のように「暗記」するというよりは、
「否定記号がない世界で否定を作るための標準的なテクニック」として引き出しに入れておくのがベストです。
ちなみにこの知識は、『論理学をつくる』79頁の練習問題19(3)を解く際に、
前もって頭に入れておくと良いです。
恐らくですが、いきなり374頁にあるような解答を導くのは無理だと思います。。