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現代数学解説
文献あり

ShabdeによるLegendre関数の積分公式

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Legendre関数を
Pν(x):=0n(ν,ν+1)nn!2(1x2)n
と定義する. 以下の公式が知られている. 今回はこの公式をCarlitzによる二重超幾何級数の和公式を用いて示したいと思う.

Shabde(1945)

11Pν(x)Pμ(x)(1+x)ν+μdx=2ν+μ+1Γ(ν+μ+1)4Γ(ν+1)2Γ(μ+1)2Γ(2ν+2μ+2)

ν,μを十分大きいとして示せば十分である.
11Pν(x)Pμ(x)(1+x)ν+μdx=110n,m(ν,ν+1)nn!2(μ,μ+1)mm!2(1x2)n+m(1+x)ν+μdx=2ν+μ+10n,m(ν,ν+1)nn!2(μ,μ+1)mm!2Γ(n+m+1)Γ(ν+μ+1)Γ(ν+μ+n+m+2)=2ν+μ+1ν+μ+10n,m(ν,ν+1)nn!2(μ,μ+1)mm!2(n+m)!(ν+μ+2)n+m
ここで, Carlitzの和公式
0n,m(a,c)nn!(b)n(a,c)mm!(b)m(b)n+m(c+c)n+m=Γ(ca)Γ(ca)Γ(b)Γ(baa)Γ(c+c)Γ(c+caa)Γ(ba)Γ(ba)Γ(c)Γ(c)
において, a=ν,c=ν+1,a=μ,c=μ+1,b=1とすれば,
0n,m(ν,ν+1)nn!2(μ,μ+1)mm!2(n+m)!(ν+μ+2)n+m=Γ(ν+μ+1)3Γ(ν+μ+2)Γ(2ν+2μ+2)Γ(ν+1)2Γ(μ+1)2
を得るから, これを代入して定理を得る.

上のような積分の計算を容易にするために, Carlitzの和公式自体を積分で表しておくと便利そうである. それは以下のようになる.

012F1[a,bc;x]2F1[a,bc;x]xc1(1x)b+bc1dx=Γ(ba)Γ(ba)Γ(c)2Γ(caa)Γ(b+bc)Γ(b+baa)Γ(ca)Γ(ca)Γ(b)Γ(b)

参考文献

[1]
N. G. Shabde, Two integrals involving Legendre functions, Proc. Benares Math. Soc, 1945, 51-53
投稿日:322
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Wataru
Wataru
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超幾何関数, 直交関数, 多重ゼータ値などに興味があります

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