以下, 単位的可換環を単に可換環とよぶ. また, 環A上の加群Mが平坦であることをA平坦であるという.
Bが忠実平坦なA代数なら, A加群Mに対しが平坦(忠実平坦)が平坦(忠実平坦)B⊗AM が B 平坦(忠実平坦)⟺M が A 平坦(忠実平坦)
(⇒) SをA加群の系列とする. Sが完全であるとき, BはA平坦だからS⊗ABは完全であり, B⊗AMは仮定によりB平坦だからS⊗AB⊗BB⊗AM=S⊗AB⊗AM=S⊗AM⊗ABも完全である. よって, Bは忠実平坦だからS⊗AMは完全であり, MがA平坦であることが従う. B⊗AMがB忠実平坦でS⊗AMが完全列なら, S⊗AM⊗BB=S⊗AB⊗BMで, BはA忠実平坦だからS⊗AB⊗BM⊗ABは完全である. ゆえに, 仮定によりSは完全だからMは忠実平坦である.
(⇐) SをB加群の系列とする. Sが完全でMがA平坦だとすると, S⊗BB⊗AM=S⊗AMであり, 仮定によりMは平坦だからS⊗BB⊗AMは完全. ゆえにB⊗AMはB平坦である. 一方S⊗BB⊗AMが完全でMがA忠実平坦ならばS⊗BB⊗AM=S⊗AMだからSは完全である.
A,Bを整域, A⊆Bとし, AとBの商体が等しいとするとき, BがA上忠実平坦ならばA=Bである.
b=a/s∈B (a,s∈A)とするとき, sb=a∈sB∩A=sAだからb∈A. (sB∩A=sAであることは, 松村Mats定理7.5から従う)
Bが忠実平坦なA代数, MがA加群ならM⊆B⊗AMとみなせる (松村Mats定理7.5). このとき, B⊗AMの部分集合{1⊗mλ}λ∈ΛがB上B⊗AMを生成すれば, Mの部分集合{mλ}λ∈ΛはA上にMを生成する.
仮定により, 系列B⊕Λ→φB⊗AM→0 (φ(bλ)=∑λ∈Λbλ⊗mλ)は完全である. また, B⊕Λ≃B⊗AA⊕Λでφ=idB⊗ψ(ψ:A⊕Λ→M,(aλ)λ∈Λ↦∑λ∈Λaλmλ)と思えるから, 仮定によりA⊕Λ→ψM→0は完全であり, これはMがA上{mλ}λ∈Λで生成されることを意味する.
バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。