方針としては、適当な連続写像であって、かつ同相写像をひきおこすようなものを構成すればよい。以下、の場合を考える。一般のの場合もの場合と同様である。
この証明において、最も難しいのは上で述べたような連続写像の構成である。の作り方は様々な方法が考えられるが、ここではそのうちの一つを詳しく説明する。
まず、はを一点につぶすような連続写像になっていなければならない。
そこで、の北極を、南極をとおき、
となるようにする。つまり、はの北極点につぶす。
このことを踏まえて、を、「の内部のうち、半径以下の部分をの南半球に写し、半径以上の部分をの北半球に写す」というように定義しよう。特に、となるようにする。このようなは、次のように定義できる。
ただし、とする。これは、のときwell-definedである。
このの定義は一見複雑で、最初は思い付くのは難しそうに見える。しかし、実際には突然天から降ってきた定義などではなく、上の「」内に書いたような写像を作るために試行錯誤して得られたものである。この試行錯誤こそが、腕の見せ所である。そこで、次にどのようにしてを作ったのかを説明する。
を固定する。とおく。重要なのは、の点は原点からの方向及び半径の大きさで決まり、の点は軸を中心とする方位角及び平面からの高さで決まるという所である。
連続写像の作り方
そこで、まずの方向(方位角)は、点から変えないことにする。つまり、は原点まわりの回転について対称に定める。これより、ある実数を用いて、となる。ただし、はに依存する量であるから、である。
あとは、高さを決めればよいが、より、を決めればも決まってしまう。そこで、以下を決定する。
- のとき:なら、よりがどんな値でもなので、とする。のとき、内の半径の円はの赤道に移るようにしたいので、このときとする。以上より、の場合には、と定める。
- のとき:のときは上と同じ。なら、はの北極に移るようにしたいので、このときとする。したがって、この場合には平面の線分を考えて、と定める。
特には、原点からの方向を固定して、点の長さに依存して決まるものとして定めていることに注意する。
以上より、上のの定義を得る。は、それぞれが連続写像の合成からなることと、貼り合わせの補題より連続である。また、写像の作り方より、は全射である。さらに、を写像が定める同値関係とすれば、写像の作り方よりはを一点に写すので、であることが確かめられる。よって、は連続全単射をひきおこす。
ここで、はハウスドルフ空間であり、はコンパクト空間の自然な連続全射による像なのでコンパクトである。コンパクト空間からハウスドルフ空間への連続写像は閉写像であるから、は同相写像である。
よって、である。(証明終)