この記事では
分数階微積分入門[1] ~ 分数階積分の定義 ~
の続きになってます. 前回は分数階積分を定義したので次に微分の方を定義していきます. 実は分数階積分を定義すれば微分の方は簡単に定義できます.
次の定理が分数階微分を定義する上でアイデアである.
微分積分学の基本定理 から,
分数階積分は前回定義したので, 上の定理を使えば上手く微分が定義できることがわかる. 分数階積分は以下のように定義した.
Riemann-Liouville
分数階微分を以下のように定義する.
これをRiemann-Liouvilleの分数階微分とよぶ. ここで
注意
定理1では
前回の例1から,
特に,
なのでこれは古典論と一致しているのがよくわかる.
今回は簡単な分数階微分の計算をしてみました. このように上手く古典論と一致しているのがよくわかるのですが, 全てが上手くいくわけではありません. 例えば定数関数を微分したとき, 古典論では
さて, 分数階微分まで定義しましたが, ここで記事が終わるのは面白くないのでもう少し続けようと思います. 次回は
ちょっと今回は短くなりましたが, 次回は少し重く?なります. 次々回は分数階微分方程式を予定しています. それでは.