ここでは東大数理の修士課程の院試の2024B05の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
球面$S^2=\{(x_1,x_2,x_3)\in\mathbb{R}^3|x_1^2+x_2^2+x_3^2=1\}$と$\mathbb{R}^3$内の平面の交わりのうち、円周と同相になるようなものを$S^2$の円と呼び、$S^2$の円全体の為す集合を$Y$とおく。ここで写像$\mu:\mathbb{C}^2\backslash\{(0,0)\}\to S^2$を
$$
\mu(z,w):=\frac{1}{|z|^2+|w|^2}(2\mathrm{Re}(z\overline{w}),2\mathrm{Im}(z\overline{w}),|z|^2-|w|^2)
$$
で定義する。このとき$\mathbb{C}^2$の部分集合$S$に対し$[S]:=\mu(S)$と定める。ここで$4$次元実線型空間$\mathbb{C}^2$の$2$次元実線型部分空間$V$で条件
を満たすようなもの全体の集合を$X$とおく。
$\mu$はHopf fibrationと呼ばれる写像です。