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東大数理院試過去問解答例(2024B04)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2024B04の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2024B04

関数体F=Q(S)を考え、その上での多項式X12S4の最小分解体をKK上の多項式X12S3の最小分解体をLとする。

  1. 拡大次数[K:F]を求めなさい。
  2. 拡大次数[L:K]を求めなさい。
  3. L/Fの部分2次拡大M/Fのうち、K/Fの部分拡大でないようなものの個数を求めなさい。
  1. まず
    X12S4=(X6+S2)(X3+S)(X3S)=(XS3)(Xζ62S3)(Xζ64S3)(X+S3)(X+ζ6S3)(X+ζ65S3)(XiS3)(Xiζ62S3)(Xiζ64S3)(X+iS3)(X+iζ6S3)(X+iζ65S3)
    であるからK=F(eiπ6,S3)である。以上から[K:F]=12である。
  2. L=K(S4)であるから[L:K]=4である。
  3. まずS12=S1314であることを考慮するとL=F(eiπ6,S12)であり、よってLFX12Sの最小分解体であるから、L/FはGalois拡大である。ここでGL/Fのガロア群とする。まずGの元
    σ=(S12eiπ6S12eiπ6eiπ6)
    で生成される部分群をHZ/12Zとし、
    τ5=(S12S12eiπ6ei5π6)
    τ7=(S12S12eiπ6ei7π6)
    で生成される部分群をI(Z/2Z)2とおく。このときGHIである。ここでL/Fの部分2次拡大はこの指数2の部分群に対応している。まず指数2であることからこのような部分群はH=σ2を含み、これはGの正規部分群であるからG/H(Z/2Z)3の指数2の部分群に対応している。以上からL/Kの部分2次拡大の個数は7C23=7個である。一方K/FZ/3Z(Z/2Z)2であり、K/Fの部分2次拡大は(Z/2Z)2の指数2の部分群に対応しているから、その個数は3個である。以上から所望の部分拡大の個数は73=4個である。
投稿日:202447
更新日:2024725
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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