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令和5年度神戸大理学部数学科3年次編入第2問

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問題は, 神戸大数学科のウェブサイト 令和 5 年度編入試(PDF-file) を参照してください。

令和5年度神戸大理学部数学科3年次編入第2問の解答

$(1)\quad $
\begin{align*} y^{\prime\prime}+\sqrt{5}y^{\prime}-y+2=0 \end{align*}
を満たす$y(x)$に対し$z(x)\coloneqq{y(x)}-2$を考えると, 上の微分方程式は
\begin{align*} z^{\prime\prime}+\sqrt{5}z^{\prime}-z=0 \end{align*}
と書き換えられる。そして, $X^{2}+\sqrt{5}X-1=0$の解は$X=-\sqrt{5}\pm{3}$なので, この$z(x)$の微分方程式の解は
\begin{align*} z(x)=A_{0}e^{(-\sqrt{5}+{3})x}+A_{1}e^{(-\sqrt{5}-{3})x} \end{align*}
と実数$A_{0}, A_{1}$を用いて表される。よって, 求める$y(x)$
\begin{align*} y(x)=A_{0}e^{(-\sqrt{5}+{3})x}+A_{1}e^{(-\sqrt{5}-{3})x}+2 \end{align*}
と実数$A_{0}, A_{1}$を用いて表される。

$(2)\quad $
\begin{align*} \forall{x>0}, y(x)>0\quad\cdots(\ast) \end{align*}

$(\ast)$が成り立つ$y(x)$を(1)の$A_{0}, A_{1}$の値で場合分けして求める。

  1. $A_{0}<0$のとき$\quad$ $A_{0}e^{(-\sqrt{5}+{3})x}\to-\infty, A_{1}e^{(-\sqrt{5}-{3})x}\to{0}\quad (x\to\infty)$なので, $y(x)\to-\infty\quad (x\to\infty)$となるから, $(\ast)$は成り立たない。

  2. $A_{0}=0$のとき$\quad $ この場合は$A_{1}>{-2}$のときのみ成り立つ。これを$A_{1}$の値で場合分けして示そう。

  • $A_{1}\geqq{0}$のとき$\quad$ $(\ast)$は明らかに成り立つ。
  • $-2<{A_{1}}<0$のとき$\quad$ $y(x)$は,$x>0$で増加関数で, $y(0)=A_{1}+2>0$から$(\ast)$が成り立つことが分かる。
  • $A_{1}\leqq{-2}$のとき$\quad$ $y(0)\leqq{0}$だから不適である。
  1. $A_{0}>0$のとき$\quad$ この場合は任意の$A_{1}$$(\ast)$は成り立つ。これも$A_{1}$の値で場合分けする。
  • $A_{1}\geqq{0}$のとき$\quad$ これは明らかに$(\ast)$が成り立っている
  • $A_{1}<0$のとき$\quad$ $y^{\prime}(x)=A_{0}(-\sqrt{5}+3)e^{(-\sqrt{5}+3)x}+A_{1}(-\sqrt{5}-3)e^{(-\sqrt{5}-3)x}>0$が任意の$x>0$で成り立っているから, $y(x)$は増加関数で$y(0)>0$なので$(\ast)$は成り立つ。

以上から, 以下の2条件$1, 2$のいずれかを満たす実数$A_{0}, A_{1}$を用いて表される
\begin{align*} y(x)=A_{0}e^{(-\sqrt{5}+{3})x}+A_{1}e^{(-\sqrt{5}-{3})x}+2 \end{align*}
が求める解である。

  1. $A_{0}=0$かつ$A_{1}>-2$
  2. $A_{0}>0$かつ, $A_{1}$は任意の実数

さいごに

もう少し良い解答があったら教えてください・

投稿日:130
更新日:130
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fancy
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9003
自分の勉強用に投稿するのでn番煎じのものが多いよ

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