ここでは東大数理の修士課程の院試の2022A06の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
$3$次実正方行列$P$に対し対称行列
$$
A=\begin{pmatrix}
\frac{1}{3}&0&0\\
0&\frac{2}{3}&0\\
0&0&1
\end{pmatrix}+{}^tPP
$$
を考える。ここで$^tPP$の固有値$\rho_1<\rho_2<\rho_3$は全て整数であるとする。$A$の固有値を$\alpha_1\leq\alpha_2\leq\alpha_3$とする。