東大数理の院試(2024年度専門B問17)の解答です.自分が作った解答は ここ に置いてあります.
N={1,2,…}とする.確率空間(Ω,F,P)上で定義された確率変数列U1,U2,U3,…,V1,V2,V3,…は独立であるとする.Ui(i∈N)は開区間(0,1)に値をとり,P(Ui≤x)=x(x∈(0,1))を満たし,Vj(j∈N)は集合{0,1}に値をとり,P(Vj=1)=P(Vj=0)=12を満たすとする.各i∈Nに対してXi=UiVi+Ui+1(1−Vi),Yi=−logXiとおく.(1) 確率変数Y1の平均,分散および分布の確率密度関数を求めよ.(2) 相異なるi,j∈Nに対して,YiとYjの共分散Cov[Yi,Yj]を求めよ.(3) 各n∈Nに対してMn=1n∑i=1nYiとおく.n→∞のときMnが確率収束することを示せ.(4) 各n∈Nに対してLn=(∏i=1nXi)1/nとおく.n→∞のときLnが確率収束することを示せ.
(1)X1は(0,1)に値を取る.任意のx∈(0,1)に対しP(X1≤x)=E[X11(0,x)]=12E[U21(0,x)]+12E[U11(0,x)]=P(U1≤x)だから,X1∼U(0,1)である.よってY1は(0,∞)に値を取り,任意のx>0に対しP(Y1≤x)=P(X1≥e−x)=1−e−xだから,Y1の確率密度関数はe−x1(0,∞)(x).またk∈Nに対しE[Y1k]=∫0∞xke−xdx=Γ(k+1)=k!だからE[Y1]=1,V[Y1]=E[Y12]−E[Y1]2=1.(2)∙ |i−j|≥2の時:仮定からXiとXjは独立なのでYiとYjも独立.よってCov[Yi,Yj]=0.∙ |i−j|=1の時:j=i+1として良い.E[YiYi+1]=E[log(UiVi+Ui+1(1−Vi))log(Ui+1Vi+1+Ui+2(1−Vi+1))]=14E[logUi+1logUi+2]+14E[logUi+1logUi+1]+14E[logUilogUi+2]+14E[logUilogUi+1]=14E[Yi]2+14E[Yi2]+14E[Yi2]+14E[Yi2]=74よりCov[Yi,Yi+1]=E[YiYi+1]−E[Yi]E[Yi+1]=3/4.(3)任意にε>0を取ると,E[Mn]=1と Chebyshev の不等式からP(|Mn−1|≥ε)≤1ε2V[Mn]である.これとV[Mn]=E[Mn2]−1=1n2(∑i=1nE[Yi2]+∑|i−j|=1E[YiYj]+∑|i−j|≥2E[YiYj])−1=1n2(n⋅2+2(n−1)⋅74+(n2−2(n−1)−n)⋅1)−1→0(n→∞)より示された.(4)logLn=1n∑i=1nlogXi=−1n∑i=1nYi=−MnよりLn=e−Mnである.関数f(x)=e−xはR上連続だから,(3) とあわせてLnはn→∞の時e−1に確率収束する.
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