本記事では1970年にG. D. Chakerian [1]により示された二色に塗り分けられた平面上の点群に関する以下の定理をご紹介します.
ただし, 以下の図のように一直線上に全ての点が並んでいないものとする.
このとき, 2点以上の同じ色の点だけを通る直線を引くことが出来る.
とてもシンプルな定理ですが, 自明ではありません. また点の数を増やせば, 同じ色の点だけを通る直線の候補が大きく変わり得るため, 帰納法をうまく使うことは出来ません. しかし以下の方針でとても鮮やかに証明することができます.
まず以下のように,
平面上の点の球面への射影
さらに,
球面上の点と大円の対応
ここで, 「平面上の点群が同一直線上にある」
したがって, 元々の主張は次の球面
ここで, グラフの記号を整理します. グラフ
グラフの例
ここで, 異なる色の辺に挟まれた角のことを'異色角'と呼ぶことにしましょう. さらに,
この準備のもとで, 背理法により定理の言い換えを証明しましょう.
全ての大円どうしの交点において,必ず異なる色の大円と交わっていると仮定します. すると, 各頂点
となります. また,
よって,
となります. また,
より,