対数関数
この性質は多くの場合,対数関数を指数関数の逆関数として定義し,指数関数の性質
では,この指数関数の性質
と指数関数をマクローリン展開で定義したときでも,
というように,コーシー積と二項展開を用いて証明されたりします.
しかし,
というのも,指数関数のマクローリン展開は収束半径が
は収束半径が
しかし,ゼミで読んでいる「数論Ⅰ Fermatの夢と類体論」において
と定義します.そして,この定義から
よって,
完全に独自に与えた証明なので,間違っていたらお手柔らかにご指摘いただけますと幸いです.
なお,この記事の始まりは
定義通りに左辺を計算すると,
となる.
上式の右辺にある
上の
よって,元の式
である.
上と同様にして,
よって,元の式
である.
となる.
よって,元の式
つまり,上の
となる.
(1),(2)より,
となることがわかるので,
(証明は後半に続く)
ここで,天下り的ではあるが,示したい
整数
この予想が証明されれば,(3),(4)より,
それでは,この予想の証明を与える.
よって,
と定義すれば,上の計算によって,
がわかる.
一般に,
ここで,上式の第3項について考える.
となるので,
よって,次のような関係式を得る.
ここで,上で得た関係式は,任意の
例えば,
となり,
そして,この
となるので,
それでは,定理1の証明を最後まで行おう.
(3)について,上の予想が成り立つことから,
である.
したがって,
よって,(3),(4)より,
となり,
が成り立つ.
整数
補題2の左辺を以下のように変形する.
よって,
ここまで煩雑な計算に最後までお付き合いいただき,誠にありがとうございました.
収束半径の中だけで,
解析的というより,どちらかと言うと組合せ論的な議論が多かったと思います。
上の予想を示す際,数学的帰納法などを使ってもっと簡単に示せるもんだと思っていましたが,かなり手こずり,新しくパラメータを1つ増やして考える,という発想で何とかごり押して証明しました.
もっと良い証明方法があるかもしれませんので,興味があったらぜひ挑戦してみて下さい!
さいごに,友人のKくんには何度も意見を聞いてもらったり,また,証明の穴を指摘してくれたりして,たくさん助けてもらいました.
この場をお借りして感謝を伝えておきます.