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大学数学基礎解説
文献あり

可換環論の勘どころ:1.1-(1)

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はじめに

「可換環論の勘どころ」という今の僕にぴったりな本が見つかったので読むついでに記事にしていきます.本を持ってないとなんのこっちゃだと思いますので,皆さんもぜひ買って(あるいは借りて)読んでみてください!

省略されている証明たち

命題1.2
  1. 0も条件を満たすとすれば,0=0+0=0
  2. (a)も条件を満たすとすれば,(a)=(a)+a+(a)=a
  3. 1も条件を満たすとすれば,1=1×1=1
命題1.4
  1. b=a+bb=aa=a+a+b=b
  2. 0=a+(a)=a+a+(a)=a
  3. (3.1) a0=a(0+0)=a0+a0なのでa0=0
    (3.2) (a)b+ab=(a+a)b=0より(a)b=ab
    (3.3) もはや明らか.
    (3.4) もはや明らか
問題1.5
  1. 加法の単位元は(0,0),乗法の単位元は(1,0)
    ((a,x)(b,y))(c,z)=(ab,ay+bx)(c,z)=(abc,abz+acy+bcx)
    (a,x)((b,y)(c,z))=(a,x)(bc,bz+yc)=(abc,abz+acy+bcx)
    (a,x)((b,y)+(c,z))=(a,x)(b+c,y+z)=(ab+ac,ay+az+bx+cx)
    (a,x)(b,y)+(a,x)(c,z)=(ab,ay+bx)+(ac,az+cx)=(ab+ac,ay+az+bx+cx)
  2. 明らか
問題1.6

行列の性質から調べるのは積について閉じていることと,可換性くらい.

命題1.8

1+(1)=0より0R.あとは明らか.

命題1.10

f(0)=f(0+0)=f(0)+f(0)より,f(0)=0
f(a)+f(a)=f(0)=0より,f(a)=f(a)
f(ab)=f(a)f(b)はもはや明らか.

問題1.11

f1(a+b)=xf1(a)=yf1(b)=zとおく.
f(x)=a+b=f(y)+f(z)=f(y+z).よってx=y+z
f1(ab)=xf1(a)=yf1(b)=zとおく.
f(x)=f(yz)よりx=yz
f1(1)=1は明らか.

問題1.12

f(a,x)=(ax0a)g(ab0a)=(a,b)が全単射であることは明らか.準同型であることを見る必要があるが,それは行列の演算とZQの演算が同じものであることから明らかといえよう.

問題1.13

省略

問題1.14

明らか

問題1.15

fAutRを取ってくる.任意のrQについてf(r)=rであることは良いであろう.xyrR,x=y+r2f(x)=f(y)+f(r)2より,fは単調増加.fが単射であることを見る.f(r)=0かつr0とすれば,rは無理数なので,0rの間に有理数sが存在する.f(s)=sかつf(r)=0である.これはfが単調増加であることに矛盾する.よってfは単射で狭義単調増加. f(x)xとなる無理数xが存在したとする.f(x)=yとおく(yは無理数).x<yなら,有理数の稠密性によりx<r<yを満たす有理数が存在する.fは狭義単調増加なので,f(x)<f(r)<f(y).よってy<rだが,これはr<yに矛盾.
x>yのときも同様にできる.よって任意のxRに対してf(x)=x.つまり,f=idR

定義1.16

テキストに載っている

命題1.17

テキストに載っている

おわりに

今回はここまで!問題1.15が解けなくて途中で投げてたこの本ですが,うまいこと解けてよかったです.それでは!

参考文献

[1]
後藤四郎, 可換環論の勘どころ
投稿日:20241215
更新日:20241218
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はじめまして!楽しい記事を書ければと思いますので、よろしくお願いします。

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