Twitter(現X)でいつも話題になるものとして、掛け算の順番がある。
時折、小学校の低学年の算数のテスト問題で、順番が逆だとかでバツにされた回答が話題になる。
小学校の算数なのだから、主に自然数(
が成り立つ。
行列や四元数、文字列の結合などでは交換法則は成り立たないが、それと自然数や整数や有理数、実数、複素数で交換法則は成り立つこととは無関係である。
また、偉い人が言ったからなどは理由にはならない。
自然数のかけ算で、交換法則が成り立つことは、
交わる2組の平行線
実数のかけ算などでは交換法則も定義に含める場合もあるが、基本的には定義には含めずとも定義から交換法則が成り立つことは導ける。
以前、
Xで自然数の算数の掛け算の順序の話題とかよく見かけるので、LaTeXの練習で、改めて自然数を定義してみて、たし算とかけ算の交換法則を示してみたけどあってるかな。。https://t.co/zFDmiU9mwx pic.twitter.com/2uP7TjmKsr
— IIJIMAS (@IIJIMAS) April 1, 2024
と定義して、その数全体
自然数全体
たし算を
と定義する。
たし算の定義
かけ算を
と定義する。
図では、
注意:長方形の90度回転で明らかだが、以下の議論で一貫しているのならば縦の長さm横の長さ
かけ算の定義
となるものとして定義する。
また、
(右辺は
(右辺は
1×m=m
よって
たし算の交換法則(
積を和で表した図、上段は3×5,下段は5×3
上で示したことにより、
たし算の交換法則を繰り返して
(それぞれ
前に示した
これを繰り返して、
よって
かけ算の交換法則 5×3=3×5
長方形に並べたものの個数は90度回転しても変わらないのは直観的に明らかだが、
直観に頼らず、交換法則を最初から成り立つと定めなくても、自然数の積について交換法則が成り立つことを導くことができた。