0

東大数理院試過去問解答例(2021B02)

381
0

ここでは東大数理の修士課程の院試の2021B02の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2021B02
  1. 任意の正整数mに対して、環準同型CR[x]/(x2+1)mが存在することを示せ。
  2. R上単元生成される可換R-代数Aで、AutR-alg(A)が有限集合になるようなものを同型を除いて全て挙げなさい。
  1. まず実係数多項式
    f(x):=0x(t2+1)m1dt
    及び実数ai:=f(i)iを考える。ここで
    f(i)=i01(1t2)m1dt
    であり、特に虚軸上の0でない値である。よってai0でない実数であるから、実係数多項式
    F(x):=1aif(x)
    を取れる。ここでまずF(x)2+1x2+1を割り切り、また微分ddx(F(x)2+1)(x2+1)m1を割り切るから、F(x)2+1(x2+1)mを割り切る。よって写像
    CR[x]/(x2+1)miF(x)
    はwell-definedなR-代数の準同型を定めている。
  2. まず(1)で求めた準同型は単射である。これによってS=R[x]/(x2+1)mは単項生成C-代数の構造をもつ。ここでC代数の準同型
    C[T]/(Tm)SiF(x)T1+x2
    がとれる。この核はTmを含みTm1を含まないイデアルなので、dimCS=12dimRS=m=dimCC[T]/(Tm)であることを考慮すると、C代数の同型
    C[T]/(Tm)S
    が誘導されることがわかる。ここで任意の複素数a0に対してf(T)f(aT)C[T]/(Tn)C代数としての自己同型を定めているから、特にSR-代数としての自己同型を無数に持つ。
    いまAを問題の条件を満たす可換R-代数とする。このときAは単項生成されるからR[X]のあるイデアルI=(f)による剰余でかける。ここでf0であるか重根を持つ場合、前半の議論からAは自己同型を無数に持つ。一方f0が重根を持たない場合、あるr及びsについて環同型
    ACr×Rs
    がとれる。
    以下このR-代数の同型fは有限個しかないことを示していく。Rs×Crの標準的な基底をe1,,es,es+1,ies+1,,es+r,ies+rとおき、sj=f(ej)及びtj=f(iej)とおく。このときfは環準同型であることから
    sj2=f(ej)2=f(ej2)=f(ej)=sj
    tj2=f(iej)2=f(ej2)=f(ej)=sj
    であるから、ej,iejfによる像は各成分が0,1,±iのいずれかであるものに限られる。よって所望の同型の個数は有限である。
    以上から所望のACr×Rsの形のもので尽くされる。
投稿日:20231024
更新日:202488
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中