この記事では二つの話($2$と$5$の以外の素数の逆数が循環小数となる証明、$mod(a^{n},p)$がループするような$a$、$p$の条件)をただただ話したりつなげてみたりします。
(記事中にたくさん出てくる$mod(x,y)$は、$x$を$y$で割った余りです。)
これは、電卓で遊んでたら「これなるくね?」とか思って証明したものです。
まず、その素数を$p$と置く。$p$の逆数なので、$\frac{1}{p}$が循環小数となればよい。
循環小数になるということは、筆算をするときの余りが$0$にならずにループするということである。
ここで、$p$で割った余りの値は$p$通りしか存在しないため、余りがどこかで$0$にさえならなければ必ずどこかで
ループする。
つまり、どの桁でも余りが$0$にならないことと、循環小数となることは同値。
$1\div p$の筆算をするときの余りを漸化式として表すと、
$m_1=1 m_{n+1}=mod(10m_n,p)$
$n$桁目の余りは$m_n$と表すことができる。
次に、$m_n$が$0$でないとき、$m_{n+1}$も$0$でないことを証明する。
まず、$m_n$は$p$で割った余りなので$p$より小さい。
そして$p$は素数。
この二つから$m_n$と$p$は互いに素であると考えられる。$\cdots ①$
さらに、$10=2\times 5$と、$p$が$2$と$5$以外の素数であることから$10$と$p$も互いに素。$\cdots ②$
上の$①$、$②$から$10m_n$と$p$は互いに素であると考えられる。
互いに素である数を割っても確実に割り切れないため、$mod(10m_n,p)$は$0$でない。
よって、$m_n$が$0$でないとき、$mod(10m_n,p)=m_{n+1}$も$0$ではない。$\cdots (1)$
$m_1=1$であることと、$(1)$から、$p$が$2$または$5$でない素数の時、$1\div p$の余りが$0$になることはない。(割り切れることはない)
余りが$0$にならないことと、循環小数となることは同値である。
よって、$p$が$2$または$5$でない素数の時、$\frac{1}{p}$は循環小数となる。
証明終わり
さて完走した感想ですが、正直言ってこの定理あまり好きじゃありません。
なぜかというと、あまりきれいに感じないから。(定理がきれいなのは数学の醍醐味ですから)
あと、この証明方法自体パッと思いついただけのものなので達成感があまりないんです。
前に投稿した
こいつ
の方が努力して解いたので好きです。愛着があります。
あとこれ、多分$\frac{a}{b}$でも$a$と$b$が互いに素であれば成り立つと思います。
だれか証明してください。
次は「$a$が$p$の素因数をすべて、少なくとも一つは持っているとき、$mod(a^n,p)$はどこかの$n$で必ず$0$となる。($a,p,n$はすべて整数)」という命題を証明します。
見出しには「ループするような$a$、$p$の条件」とか書いてますが回収するのでとりあえず見てください。
$a$は$p$の素因数をすべて一つは持っているので、それをいくつか重ねれば因数の中に$p$が含まれることが起こりうるのは自明。
因数に$p$を持っているというのは、$p$の倍数であるということなので余りは当然$0$。
よって、$a$が$p$の素因数をすべて、少なくとも一つは持っているとき、$mod(a^n,p)$はどこかの$n$で必ず$0$となる。
証明終わり
あっけない証明でとても単純です。
でもその逆とかを取ればそれなりに面白い定理が出てきます。
例えば、「$a$と$p$が互いに素の時$mod(a^n,p)$は$0$にはならない」とか。
まあこれも少し考えればわかることなのであまり意味はないかもしれません。
でも、互いに素のとき成立するっていうのはなんか$①$の話に通じるものがある気がします。
いやまあただの偶然と言われればそれだけなんですけど、面白そうなので記事に書いてみました。
なんでこんな記事を書いたかというと、暇だったからです。
暇だったから$①$の証明をして、
ついでに$②$もやって、ここまで来たら記事にしようぜってなって。
最初は$①$の奴だけ出すつもりだったんですが、それだけじゃ短すぎて、じゃ$②$の奴も出しちゃえってなって。なんか全体的に雑で適当ですがお許しください。
ふつうに循環小数の話だけでも面白いと思うんです。
だからなんか循環小数の研究してぜひコメント欄に入れてください。
たのんます。