表題の通りです.
https://mathlog.info/articles/J9UQTOoRHts6LWMW8jZc
と本質的に同じな気もします.
問題
問題は
https://www.imojp.org/archive/mo2024/problems/jmo34yqa.pdf
から引用した.
JMO2024年 予選12番
次の条件をみたす以上以下の整数の組の個数を求めよ.
整数の組であって, 任意の以上以下の整数に対して
となるものが存在する.
ここで, 右辺はとをともに割りきる以上の整数が存在しないような以上以下の整数についてのの総和である.
解答
初等的考察
すこし, 初等的な考察をする. なので, が成立する. ここで, と置くと,
が成立する. 逆に, このようなが条件を満たすのはほぼ自明. (を拡張してにすればよい.) よって, の長さはとして解いてよい.
言い換え
まず, 問題を環上の加群の話に置き換える.
, と置く.
自然数に対し, の標準基底をと置き, この添え字はで考える.
線形写像を,
となるように定める.
このとき問題はを求めることに帰着される.
テンソル積への分解
次に, をテンソル積に分解することを考える.
線形写像を,
と定める. 中国剰余定理よりは, 全単射. さらに, が成立する. 実際, 両辺の線形より,を代入して等しければよい. これは次のように確かめられる:
ここで, はから, はから, はから,はから, はからを渡る. 3番目の等式では, 中国剰余定理と, を用いた.
が全単射だったことを思い出すと, である.
の単因子
次に(は素数)の単因子を求める. の元の列, およびを次のように定める.
がの生成元であることはあきらか. も, に注意すると, を生成することがわかる. が有限集合であることから, 結局はの基底である.
よって, に注意すると, の単因子はである.
答え
最後にここまでをまとめ, 答えを出す.
一般にの単因子が, の単因子がのとき, の単因子はである.
よって, の単因子はとなる. (の渡る範囲は前のと同じ. ) では, は同伴である. よって, 単因子としてありうるのは, のどれか.
で回割れる単因子の数
の中にが個以上あることと同値.
個.
で回割れる単因子の数
またはと同値.
となるのが, 個.
となるのが, 個.
かぶりが個あるので, 個.
で回割れる単因子の数
と同値. 個
よって, が答え.
感想
過去に予選で, 本質的にの話をする問題が出たことはあったりするんですが, ここまで大学数学が刺さる予選問題もでるんですね.
という数, 作者の勘で答えを当てさせない気概を感じます. 平方因子をもちつつ, なので. あとが出てくるのがややウケますね.