0

定理2.6で遊ぼう

108
0

概要

こちら の記事の定理2.6を少し拡張し, その式に具体的な集合, 写像を当てはめて面白そうな結果を導く.

定理2.6

定義0,1
f:SSn回合成した写像をfn(x)とする.
(f0(x)=x,f1(x)=f(x),fn+1(x)=f(fn(x)))

定義0,2
AS(f)f(x)=xを満たすようなSの元x全体の集合
とする.

定理2,6
任意の集合Sと写像f:SSについて,
pが素数, AS(f),AS(fp)の要素数が有限のとき,
有限集合Tの要素数を|T|と表すことにすると,
|AS(fp)||AS(f)|(modp)

上の定理は任意の正整数nについて次のように拡張できる(証明にはメビウスの反転公式を用いる).

定理2.7

ndn,d>0|AS(fd)|μ(nd)
|AS(fpk)||AS(fpk1)|(modpk)
ただしμ(x)は次の式で定義される関数(メビウス関数)である.
μ(n)={0(n)(1)t(nt(n=1t=0))

素数全体の集合をPとする. 以降注釈がない限りp,qPとする.

オイラーの定理

定理2.7でn=pm(mN), S=C, f(x)=xa(aN,a1)とするとAS(fk)=akであるので
apmapm1(modpm)
特にapが互いに素のとき,
apm1(p1)1(modpm)
また, オイラーのトーシェント関数ϕ(x)は乗法的関数でϕ(pm)=pm1(p1)である.

1でない正整数nについて, その素因数分解をn=p1q1p2q2pkqkとすると, ϕ(piqi)ϕ(n)より
anaϕ(n)1(modpiqi)
がすべての0<ikについて成り立つ. よって中国剰余定理より, anのとき

aϕ(n)1(modn)

ちょっとだけ一般化

f(x)=xa(aN,a1)Sが整域のとき, Sにおける1n乗根の数をrnとすると,
|AS(fn)|=ran1+1
である. よって
dn,d>0|AS(fd)|μ(nd)=dn,d>0(ran1+1)μ(nd)=dn,d>0ran1μ(nd)+dn,d>0μ(nd)
={dn,d>0ran1μ(nd)(n1)ra1+1(n=1)
となり, 結局
ndn,d>0ran1μ(nd)
が得られる.

(Mn(Fpm))×の元の位数について

S=Fpmn,f(x)=Ax(AMn(Fpm))のとき, fk(x)=Akx
よってこのときAS(fk)=Ker(AkIn)であるので|AS(fk)|=(pm)nrank(AkIn)となる.
定理2.7より
pm(nrank(AqkIn))pm(nrank(Aqk1In))(modqk)
特にpqのとき, (pm)t1(modqk)となる最小の正整数tordqk(pm)と表すと
nrank(AqkIn)nrank(Aqk1In)(modordqk(pm))
rank(AqkIn)rank(Aqk1In)(modordqk(pm))
A(Mn(Fpm))×の元と見たときの位数がqkだったなら, これは
Aqk1InAqk=Inと同値である.
このとき、上式は0rank(Aqk1In)(modordqk(pm))
しかしAqk1Inよりrank(Aqk1In)0なので
nrank(Aqk1In)ordqk(pm)
Gに位数aの元xがありbaならば, xabの位数はbであるので,
位数がaの倍数の元がある位数aの元がある
が成り立つ.
よって
(Mn(Fpm))×qk(qp)nordqk(pm)
となる. (対角化やジョルダン標準形を使えばもう少し強い主張が得られる. )

投稿日:2023106
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

抹茶屋
抹茶屋
25
1890
数弱 抹茶より麦茶がすき

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中