ここでは東大数理の修士課程の院試の2018B07の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
$\mathbb{R}^2$上のベクトル場$X$を
$$
X=\left(x-y-x\left(x^2+3y^2\right)\right)\frac{\partial}{\partial x}+\left(x+y-y\left(3x^2+y^2\right)\right)\frac{\partial}{\partial y}
$$
で定める。
(1) 任意の点$(x_0,y_0)\in\mathbb{R}^2$について、$t=0$で$(x_0,y_0)$を通る$X$の積分曲線$\gamma:(-\infty,\infty)\to \mathbb{R}^2$が定義され、$\gamma((0,\infty))$は有界であることを示せ。
(2) コンパクト台を持つ任意の$C^\infty$関数$f:\mathbb{R}^2\to\mathbb{R}$について、ベクトル場
$$
X+f\frac{\partial}{\partial y}
$$
はゼロ点を持つことを示せ。