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体上の有限次元整域は体である

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$$\newcommand{pe}[0]{\mathfrak{p}} \newcommand{Pe}[0]{\mathfrak{P}} \newcommand{Qu}[0]{\mathfrak{Q}} \newcommand{qu}[0]{\mathfrak{q}} \newcommand{Spec}[0]{\mathop{\mathrm{Spec}}\nolimits} $$

$R$を整域, $k$$R$の部分環とし, $k$は体であるとする. $R$$k$ベクトル空間として有限次元であれば$R$は体である.

$a\in R\setminus\{0\}$とし, $k$線型写像$t_a\colon R\rightarrow R; x\mapsto xa$を考える. $R$が整域であることより$t_a$は単射であり, $R$$k$上有限次元だから同型となる. このとき, $t_a^{-1}(1)a=1$となるので, $a\in R^{\times}$を得る.

 有限次元でなければ成立しない. 例えば体$k$に対し, $k$上の多項式環$k[X]$は整域だが体ではない.
 また, 有限整域はその素体上有限次元であるから体である.

投稿日:20231026

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