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COMPLETE SOLUTION IN WHOLE NUMBERS OF THE EQUATION

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SOLUTION COMPLÈTE EN NOMBRES ENTIERS DE L'ÉQUATION
$$m \arctan \frac{1}{x}+n \arctan \frac{1}{y}=k \frac{\pi}{4}$$
M. Carl Stormer

$m,n,x,y$を正の整数とするとき上の等式の完全な解の分析を目指す.
$k$$0$以上の整数である.
この問題は1894年にSt.PetersbourgのM.D.Graveによって
l'Intermediaire des mathematiciensに取り上げられた.
そのなかでEulerの例とMachinの例を挙げている.
$$\arctan \frac{1}{2} +\arctan \frac{1}{3}=\frac{\pi}{4}$$
$$2 \arctan \frac{1}{3} + \arctan \frac{1}{7}=\frac{\pi}{4}$$
$$4 \arctan \frac{1}{5} +\arctan \frac{-1}{239}=\frac{\pi}{4}$$

よく知られているように
$$a+bi=r \exp{\left [ i \varphi \right]}$$
ここで $r^2=a^2+b^2,$ $\varphi=\arctan \frac{b}{a}$
$a,b$は互いに素とする.
多数の場合には以下のようになる.
$$\prod_{j}(a_j+ib_j)=R \exp \left [ i \sum_j \arctan \frac{b_j}{a_j} \right ]$$
$R^2=\prod_j (a_j^2+b_j^2)$である.
もし表題の等式
$$m \arctan \frac{1}{x}+n \arctan \frac{1}{y}=k \frac{\pi}{4}$$
が成り立つならば,以下の等式
$$(1-i)^k(x+i)^m(y+i)^n=(1+i)^k(x-i)^m(y-i)^n$$
が成立することがわかる.
$\nu,\mu =0,1$として
$x+i=(1+i)^{\nu}(a+ib)$
$y+i=(1+i)^{\mu}(c+id)$
と置き換える.
ただし$x\equiv\nu,y\equiv\mu(\mod 2)$とする.
このとき$a,b$は互いに素な整数となることが分かる.
$c,d$も同様である.
これらを代入すると
$$(a+ib)^m(c+id)^n=i^l(a-ib)^m(c-id)^n \cdots (1)$$
$l=k-\nu m-\mu n$
となる.

$a,b$を互いに素な整数とする.
$z=a+ib$$z'=a-ib$は互いに素である.

$z,z'$が共通な素元$\omega$を因数にもつと仮定する.
共役元$\omega'$$z,z'$の因数となることがわかるので
$z,z'$$\omega \omega'=N$を因数にもち$N$は正の整数である.
$\omega$は素元と仮定したので単数($N=1$)ではない.
$z,z'が1$以外の正の整数を因数にもつなら
$a,b$は互いに素ではない.

$i^l$$Z[i]$における単数なので
$$a+ib=\epsilon_1 (\alpha +i \beta)^n$$
$$c+id=\epsilon_2 (\alpha - i \beta)^m$$
と表すことができる.$\epsilon_1,\epsilon_2$は単数である.
ただし,$m,n$は互いに素と仮定している.

$a+ib$$c-id$が共通の素元$p$を因数にもつとする.
補題より$c+id,a-ib$$p$を因数にもたない.
$Z[i]$においては素元分解が一意的に可能であるので,
等式(1)の両辺の$p$の個数は等しい.したがって両辺は$p^{mn}$を因数にもつ.
ある正の整数$\kappa$が存在して$a+ib$$c-id$はそれぞれ$p^{\kappa n},p^{\kappa m}$を因数にもち,それ以上$p$で割ることはできない.
この議論を繰り返し,$\alpha +i\beta=p_1^{\kappa_1}p_2^{\kappa_2}\cdots$とおけばよい.

$$x+i=\epsilon_1 (1+i)^{\nu}(\alpha +i \beta)^n$$
$$y+i=\epsilon_2 (1+i)^{\mu}(\alpha -i \beta)^m$$
したがって
$$x^2+1=2^{\nu}A^n$$
$$y^2+1=2^{\mu}A^m$$
$$A=\alpha^2+\beta^2$$
$$x+y \equiv 0 (\mod A)$$
を得る.$A$は奇数となる.
最後の合同式は
$$x+i+y-i=\epsilon_1 (1+i)^{\nu}(\alpha+i\beta)^n +\epsilon'_2 (1-i)^{\mu} (\alpha + i\beta)^m$$
$$x-i+y+i=\epsilon'_1 (1-i)^{\nu}(\alpha - i\beta)^n +\epsilon_2 (1+i)^{\mu} (\alpha - i\beta)^m$$
より$x+y$$(\alpha +i \beta)(\alpha -i \beta)=A$を因数にもつことから従う.

投稿日:202381
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DIO
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