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東大数理院試過去問解答例(2009A07)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2009A07の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです

2009A07
  1. $\mathbb{R}$から$\mathbb{R}$への単射連続写像は狭義単調増加か狭義単調減少のいずれかであることを示せ。
  2. 写像$f:S^1\to S^1$が、ある正整数$n$に対して$f^n=\mathrm{id}_{S^1}$を満たしかつ$n$未満の任意の正整数$k$に対して$f^k\neq\mathrm{id}_{S^1}$を満たすとき、$n$$f$の位数と呼び、$\mathrm{ord}(f)$と表記する。また$f$の不動点とは$f(x)=x$なる$x\in S^1$を指す。$\mathrm{ord}(f)=2$のとき、$f$の不動点の個数は$0,2$のいずれかであることを示しなさい。
  3. $\mathrm{ord}(f)$$3$以上の正整数のとき、$f$の不動点は$0$個であることを示しなさい。
  1. 中間値の定理
  2. 不動点が存在するとし、これを$a\in S^1$とおく。このとき同相$\mathbb{R}\simeq S^1\backslash\{a\}$を合成することで、$f$は単射連続写像$F:\mathbb{R}\to\mathbb{R}$を誘導する。(1)からこれは狭義単調増加か狭義単調減少である。まず$F$が狭義単調増加とする。このときある$x\in\mathbb{R}$に対して$x< F(x)$が成り立っているとすると、辺々に$F$を掛けて
    $$ F(x)< F^2(x)=x $$
    が成り立ち矛盾する。一方$x>F(x)$としても同様に$F(x)< F^2(x)=x$が従い矛盾する。よってこのとき$F=\mathrm{id}_{\mathbb{R}}$になるしかない。以上から$F$は狭義単調減少である。よって$F$$\mathrm{id}_\mathbb{R}$の交点はちょうど$1$つである。以上から$f$の不動点は存在すればちょうど$2$つであることが分かった。
  3. 不動点が存在するとし、これを$a\in S^1$とおく。$F$を(2)と同様に取る。$F^2$は狭義単調増加かつ位数有限である一方恒等写像ではない。このときある$x$について$x< F(x)$とすると、$F^{2n}=\mathrm{id}_\mathbb{R}$なる最小の正整数$n$を取ったとき
    $$ x< F^2(x)< F^4(x)<\cdots< F^{2n}(x)=x $$
    となり矛盾する。同様にある$x$に対して$x>F(x)$とすると$x>F^{2n}(x)=x$が従い矛盾する。よってこのとき$F^2=\mathrm{id}_\mathbb{R}$となる他ないが、$f$の位数は$>2$であるから矛盾している。以上から$f$は不動点を持たないことが分かった。
投稿日:2日前
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藍色日和
藍色日和
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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