お久しぶりです.今回約数関数の上界について,それなりに有用なものが得られたので紹介します.
なお,関数の定義は以下の通りです.
と素因数分解したとき
この記事では
証明はこちらの記事「 約数関数に関する予想の証明 」の補題2のものと似ています.
が成り立つ.
と
定理2 は
となり,
今回示した式が以前のものと比べてどれだけ正確か,Excelを用いて確認してみます.簡単のため
今回の式を
比較するのは次の2つの式です.
公式2,公式3の証明はどちらもこちらの記事「 約数関数に関する予想の証明 」で紹介しています.
さて,約数関数
=LAMBDA(n,x,SUM(UNIQUE(REDUCE(1,SEQUENCE(SQRT(n)),LAMBDA(a,b,IF(MOD(n,b),a,VSTACK(a,b,n/b)))))^x))
で計算します.簡単のために「名前の定義」でsigmaとします.
そして,一般化したプライムオメガ関数
=LAMBDA(n,x,REDUCE(0,SEQUENCE(n),LAMBDA(a,b,IF(MOD(n,b),a,IF(sigma(b,0)=2,a+INDEX(REDUCE(VSTACK(n,0),SEQUENCE(LOG(n,b)),LAMBDA(c,d,IF(MOD(INDEX(c,1),b),c,c/VSTACK(b,1)+VSTACK(0,1)))),2)^x,a)))))
で計算します.簡単のために「名前の定義」でomegaとします.
以下で,自然数
公式の比較
この表を見ると公式1がどれだけ優れているのかがよく分かります.
公式1において
これはつまり,
(私が中学1年の時に苦労して証明したことが,こんなにもあっさり証明できてしまうなんて・・・!)
また表を見れば分かるように,公式3はどうしようもないほど使えないことが分かります.苦労して証明した不等式なのに悲しいですね.
ここまで読んでいただきありがとうございます.