標数って$0$か素数しかないと思っていませんか?整域ならそうですけど,実は一般の可換環についてはそうとは限りません.標数の定義を確認しておきましょう.
$\mathbb{Z}$から可換環$A$への唯一の準同型$f(n)=n\cdot 1$を定めたとき,$\text{Ker}f$は単項イデアルですが,その生成元$l\ge 0$を環$A$の標数といいます.ここで,$A$が整域なら,その部分環として$\text{Im}f$は整域であり,$\text{Im}f\cong\mathbb{Z}/\text{Ker}f$が成り立っているので,$\text{Ker}f$は$\mathbb{Z}$の素イデアルです.なので$A$が整域なら,標数は$0$か素数になります.
標数が$0$でも素数でもない例を挙げておくと,$\mathbb{Z}/6\mathbb{Z}$とかがまさにそうですね.
今回の記事はこんだけです.体論の知識がまだまだと痛感したのでこれからは体論の記事を上げていくかもしれません.それでは.