ここでは東大数理の修士課程の院試の2018B02の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
2018B02
以下の問いに答えなさい
- 相異なる複素数をとり
を考える。の任意の極大イデアルについて
であるためには、であることが必要充分であることを示せ。 - であるとする。このとき環
が非自明な巾ゼロ元を持たないようなを全て挙げなさい。
- について
であるから、これが常にであるためには、なる任意のについて上の式の右辺行列のランクが常にであることが必要充分である。この条件が満たされているとき、はいずれもを満たしてはいけないから、が従う。一方条件が満たされていないとき、それを反例たり得るのはに限られるから、このときはのいずれかがであることが従う。 - まず
である。ここでが巾ゼロ元を持つにはのいずれかが満たされることが必要充分であるから、よって所望の条件を満たすようなは
で尽くされている。