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【証明RTA】合成関数の微分【100%,ショトカ縛り】

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正しい証明は意外と面倒くさい定理の証明RTA、はぁじまぁるよ~!
今回走るのは次の定理

合成関数の微分

I,JRを開区間、f:IRg:JRf(I)J
aIfaで微分可能gf(a)で微分可能
f(a):=αg(f(a)):=β
とする。

この時gfaで微分可能で(gf)(a)=αβである。

カテゴリ名は「100%,ショトカ縛り」
なーぜーかー先駆者がいなかったので、レギュレーションはこっちで勝手に定めます。
ガバガバレギュレーションは以下の通り

  • 微分の定義にはεδ論法を用いる
  • ショートカット(積と極限の交換など)の使用は禁止
  • タイマースタートはε>0を記述した瞬間
  • タイマーストップは不等式評価を<εで終えた瞬間

それでは早速、タイマースタート!

ε>0とする。

ε0:=(|α|+|β|)2+4ε(|α|+|β|)2(>0)と定める。
ε02+(|α|+|β|)ε0=εである。

微分の定義によりδ0>0が存在して、
0<|h|<δ0|f(a+h)f(a)hα|<ε0
0<|k|<δ0|g(f(a)+k)g(f(a))kβ|<ε0
となる。

この時、
0<|h|<δ0|f(a+h)f(a)h|<ε0+|α|
|k|<δ0|g(f(a)+k)g(f(a))βk|ε0|k|...(☆)
が成り立つ。

δ:=min{δ0,δ0ε0+|α|}(>0)と定める。

0<|h|<δとする。
0<|h|<δ0より
|f(a+h)f(a)|<(ε0+|α|)|h|<(ε0+|α|)δδ0
であるから、(☆)にk=f(a+h)f(a)を代入して
|g(f(a+h))g(f(a))β{f(a+h)f(a)}h|
ε0|f(a+h)f(a))h|
<ε0(ε0+|α|)
=ε02+|α|ε0
となる。

従って、
|gf(a+h)gf(a)hαβ|
=|g(f(a+h))g(f(a))hβf(a+h)f(a)h+βf(a+h)f(a)hαβ|
|g(f(a+h))g(f(a))β{f(a+h)f(a)}h|+|β||f(a+h)f(a)hα|
<ε02+|α|ε0+|β|ε0
=ε(ここでタイマーストップ 残りはエンディングです)

以上によりgfaで微分可能で(gf)(a)=αβである。

 完走した感想ですが(激ウマギャグ)、多分これが一番早いと思います。文脈が何度も前後する証明が苦手なので、一度通読するだけで理解できる順番にするようにチャートを詰めまくりました。
 合成関数の微分の証明は、分母に0が生じるのを如何にして避けるのかがポイントになるのですが、(☆)の行だけであしらえたのがうま味(あじ)でした。
 不等式評価を<εで終わらせるために、ε0を変な定義にするオリジナルチャートを採用しました。誤差程度ですがタイム短縮につながったと思います。
 続編のBanach空間間の写像の連鎖律も全く同様の方法で証明できるので、気になった方は是非ご自身でプレイしてみてください。

 以上、小時間のご閲読、ありがとうございました。

投稿日:54
更新日:54
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投稿者

数学が勉強出来なくなる難病

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