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順序集合全体の圏の直積の普遍性の確認

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$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{dotge}[0]{\dot\ge} \newcommand{F}[0]{\mathbb{F}} \newcommand{i}[0]{\ \ \ \ } \newcommand{id}[0]{\mathrm{id}} \newcommand{ii}[0]{\i\i} \newcommand{iii}[0]{\i\i\i} \newcommand{im}[0]{\mathrm{Im}} \newcommand{jslat}[0]{\mathrm{JSLat}} \newcommand{ker}[0]{\mathrm{Ker}} \newcommand{lat}[0]{\mathrm{Lat}} \newcommand{mapsdown}[0]{\overline{\downarrow}} \newcommand{mapsup}[0]{\underline{\uparrow}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{ord}[0]{\mathrm{Ord}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{set}[1]{\left\{#1\right\}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

自分用のノート

非交和を次で実装する。$\coprod_{i \in I}P_i = \bigcup_{i \in I}(P_i \times \set{i})$

標準的な全射(射影)$\prod_{i \in I}P_i → P_j;(x_i)_{i \in I} ↦ x_j$$\pi_j$と書くことにする。
標準的な単射(入射)$P_j → \coprod_{i \in I}P_i;\ x ↦ (x, j)$$\iota_j$と書くことにする。

$\ord$

半順序集合$P,Q$$f:P → Q$に対し、$f$が順序を保つとは、以下を満たすことを言う。

  • $\forall x, y \in P, x \le y ⇒ f(x) \le f(y)$

$\id$は順序を保つ。
また、順序を保つ写像同士の合成は順序を保つ。

[$\id$は順序を保つ]
$P$を半順序集合とする。
$x \le y$なる$x, y \in P$を取る。
この時、$\id_P(x) = x \le y = \id_P(y)$であるから、$\id_P$は順序を保つ。

[順序を保つ写像同士の合成は順序を保つ]
半順序集合と順序を保つ写像を取る。
$$P \xrightarrow{f} Q \xrightarrow{g} R$$

$x \le y$なる$x,y \in P$を取る。
この時、$f$は順序を保つから、$f(x) \le f(y)$
また、$g$は順序を保つから、$g(f(x)) \le g(f(y))$
従って、$(g \circ f)(x) \le (g \circ f)(y)$であるから、$g \circ f$は順序を保つ。

従って、半順序集合を対象、順序を保つ写像を射として圏が得られる。
この圏を$\ord$と書く。

半順序集合の族$(P_i,\le_i)_{i \in I}$に対し、直積半順序集合$(P,\le)$を以下で定める。

  • $P = \prod_{i \in I}P_i$
  • $(x_i)_{i \in I} \le (y_i)_{i \in I} :⇔ \forall i \in I,\ x_i \le_i y_i$

この半順序集合を単に$\prod_{i \in I}P_i$と書く。

半順序集合の族$(P_i,\le_i)_{i \in I}$に対し、非交和半順序集合$(P,\le)$を以下で定める。

  • $P = \coprod_{i \in I}P_i$
  • $(x,i) \le (y,j) :⇔ i = j$かつ$x \le_i y$

この半順序集合を単に$\coprod_{i \in I}P_i$と書く。

半順序集合$I$と半順序集合の族$(P_i,\le_i)_{i \in I}$に対し、辞書式半順序集合$(P,\le)$を以下で定める。

  • $P = \coprod_{i \in I}P_i$
  • $(x,i) \le (y,j) :⇔ (i = j$かつ$x \le_i y)$または$(i < j)$

この半順序集合を単に$\bigoplus_{i \in I}P_i$と書く。
$I$が反鎖(順序関係を全く持たない)のとき$\coprod_{i \in I}P_i$$\bigoplus_{i \in I}P_i$は順序同型になる。

射影と入射は順序を保つ。

[射影]
$j \in I$を取る。
$(x_i)_{i \in I} \le (y_i)_{i \in I}$なる$x = (x_i)_{i \in I}, y = (y_i)_{i \in I} \in \prod_{i \in I}P_i$を取る。

直積順序の定義から、$\pi_j(x) = x_j \le y_j = \pi_j(y)$であるから、$\pi_j$は順序を保つ。

[入射]
$j \in I$を取る。
$x \le y$なる$x,y \in P_j$をとる。

余直積順序の定義から、$\iota_j(x) = (x,j) \le (y,j) = \iota_j(y)$であるから、$\iota_j$は順序を保つ。

$\ord$において直積順序と射影/非交和順序と入射はそれぞれ直積/余直積の普遍性を満たす。

[直積]

$$ \xymatrix{ & & X \ar@/_1pc/@{->}[lldd]_{\alpha_P} \ar@/^1pc/@{->}[rrdd]^{\alpha_Q} \ar@{-->}[dd]|-{\alpha} & & \\ & & & & \\ P & & P \times Q \ar@{->}[ll]_{\pi_P} \ar@{->}[rr]^{\pi_Q} & & Q } $$

半順序集合の族$(P_i)_{i \in I}$と射影$\pi_j:\prod_{i \in I}P_i → P_j$を取る。
任意の半順序集合$X$と順序を保つ写像$\alpha_j:X→P_j$を取る。

[存在性]
$\alpha:X → \prod_{i \in I}P_i;\ x ↦ (\alpha_i(x))_{i \in I}$と置く。
$\alpha$は順序を保つ。

この時、全ての$j \in I$に対し、$\alpha_j = \pi_j \circ \alpha$である。

[一意性]
全ての$j \in I$に対し、$\alpha_j = \pi_j \circ \alpha'$となる$\alpha'$を取る。

$x \in P$を取る。
任意の$j \in I$に対し$(\pi_j \circ \alpha')(x) = \alpha_j(x)$だから、$\alpha'(x) = (\alpha_j(x))_{i \in I} = \alpha(x)$

よって、$\alpha' = \alpha$

[余直積]

$$ \xymatrix{ & & X & & \\ & & & & \\ P \ar@{->}[rr]^{\iota_P} \ar@/^1pc/@{->}[rruu]^{\alpha_P} & & P\ \sqcup\ Q \ar@{-->}[uu]|-{\alpha} & & Q \ar@{->}[ll]_{\iota_Q} \ar@/_1pc/@{->}[lluu]_{\alpha_Q} }$$

半順序集合の族$(P_i)_{i \in I}$と入射$\iota_j:P_j → \coprod_{i \in I}P_i;\ x ↦ (x, j)$を取る。

任意の半順序集合$X$と順序を保つ写像$\alpha_j:P_j → X$を取る。

[存在性]
$\alpha:\coprod_{i \in I}P_i → X;\ (x, j) ↦ \alpha_j(x)$と置く。
$\alpha $は順序を保つ。

この時、全ての$j \in I$に対し、$\alpha_j = \alpha \circ \iota_j$である。

[一意性]
全ての$j \in I$に対し、$\alpha_j = \alpha' \circ \iota_j$となる$\alpha ^{\prime }$を取る。

$x \in \coprod_{i \in I}P_i$を取る。

非交和の定義より、ある$j \in I$$y \in P_j$が存在して$x = (y, j) = \iota_j(y)$と書ける。

$(\alpha' \circ \iota_j)(y) = \alpha_j(y)$だから、$\alpha'(x) = \alpha'(\iota_j(y)) = \alpha_j(y) = \alpha(\iota_j(y)) = \alpha(x)$

よって、$\alpha' = \alpha$

$\ord$において、空集合は始対象であり、一点集合$\set{0}$は終対象てある。

任意の半順序集合$P$に対し、$\varnothing → P$なる写像は空写像のみであり、空写像は(空虚に)順序を保つ。

また、$P → \set{0}$なる写像は全てを$0$に送る写像のみであり、それは順序を保つ。

$\ord_{ref}$

半順序集合$P,Q$$f:P → Q$に対し、$f$が順序を反映するとは、以下を満たすことを言う。

  • $\forall x, y \in P, f(x) \le f(y) ⇒ x \le y$

特にこの時$f$は単射である。

$\id$は順序を反映する。
また、順序を反映する写像同士の合成は順序を反映する。

[$\id$は順序を反映する]
$P$を半順序集合とする。
$\id_P(x) \le \id_P(y)$なる$x, y \in P$を取る。
この時、$\id_P(x) = x \le y = \id_P(y)$であるから、$\id_P$は順序を反映する。

[順序を反映する写像同士の合成は順序を反映する]
半順序集合と順序を反映する写像を取る。
$$P \xrightarrow{f} Q \xrightarrow{g} R$$

$(g \circ f)(x) \le (g \circ f)(y)$なる$x,y \in P$を取る。
この時、$g$は順序を反映するから、$f(x) \le f(y)$
また、$f$は順序を反映するから、$x \le y$
従って、$g \circ f$は順序を反映する。

従って、半順序集合を対象、順序を反映する写像を射として圏が得られる。
この圏を$\ord_{ref}$と書く。

射影は必ずしも順序を反映しない。

$P = \N^2$と置く。

$0 = \pi_0(0,1) \le \pi_0(0,0) = 0$であるが$1 \not\le 0$だから$(0,1) \not\le (0,0)$

従って直積順序と射影は$\ord_{ref}$の直積の普遍性を満たさない。

入射は順序を反映する。

$P = \coprod_{i \in I}P_i$と置く。

$\iota_j(x) \le \iota_j(y)$とすると、$x,y \in P_j$でかつ$x \le_j y$である。

非交和順序と入射は$\ord_{ref}$の余直積の普遍性を満たさない。

[反例]
$I = \{1, 2\}$ とする。
半順序集合$P_1, P_2$をそれぞれ一点集合$P_1 = \{a\}, P_2 = \{b\}$とする。
このとき、非交和$P_1 \sqcup P_2$の台集合は$\{(a, 1), (b, 2)\}$であり、$(a, 1) \not\le (b, 2)$かつ$(b, 2) \not\le (a, 1)$である。

$X = \{0, 1\}$と置く。
写像$\alpha_1: P_1 \to X$$\alpha_1(a) = 0$と定める。
写像$\alpha_2: P_2 \to X$$\alpha_2(b) = 1$と定める。

$\alpha_1, \alpha_2$は順序を反映する写像である。

この時、図式を可換にする写像$\alpha:P_1 \sqcup P_2 → X$は一つしかなく、以下のように定まる。

$\alpha(a, 1) = (\alpha \circ \iota_1)(a) = \alpha_1(a) = 0$
$\alpha(b, 2) = (\alpha \circ \iota_2)(b) = \alpha_2(b) = 1$

この $\alpha$$\mathrm{Ord}_{ref}$の射(順序を反映する写像)であるかを確認する。

$X$において、$\alpha(a, 1) = 0 \le 1 = \alpha(b, 2)$が成り立つ。
もし$\alpha$が順序を反映するのであれば、$(a, 1) \le (b, 2)$が成り立たなければならない。

しかし、先述の通り$(a, 1) \not\le (b, 2)$である。

従って、条件を満たす射$\alpha$は存在しないため、非交和順序と入射は$\mathrm{Ord}_{ref}$における余直積の普遍性を満たさない。

$\lat$

上半束$L,M$と写像$f:L→M$に対し、$f$上半束準同型であるとは、以下を満たすことを言う。

  • $\forall x,y \in L, f(x \vee y) = f(x) \vee f(y)$

$\id$は上半束準同型。
また、上半束準同型同士の合成は上半束準同型。

[$\id$は上半束準同型]
$P$を上半束とする。
$x, y \in P$を取る。
この時、$\id_P(x \vee y) = x \vee y = \id_P(x) \vee \id_P(y)$であるから、$\id_P$は上半束準同型である。

[上半束準同型同士の合成は上半束準同型]
上半束と上半束準同型を取る。
$$P \xrightarrow{f} Q \xrightarrow{g} R$$

$x,y \in P$を取る。
この時、$(g \circ f)(x \vee y) = g(f(x \vee y)) = g(f(x) \vee f(y)) = g(f(x)) \vee g(f(y)) = (g\circ f)(x) \vee (g \circ f)(y)$
従って、$g \circ f$は上半束準同型である。

従って、上半束を対象、上半束準同型を射として圏が得られる。
この圏を$\jslat$と書く。

$(P_i)_{i \in I}$を上半束の族とする。
$P = \prod_{i \in I}P_i$と置く。
$(x_i)_{i \in I}, (y_i)_{i \in I} \in P$を取る。

この時、$(x_i)_{i \in I} \vee (y_i)_{i \in I} = (x_i \vee y_i)_{i \in I}$

$x = (x_i)_{i \in I}$
$y = (y_i)_{i \in I}$
$z = (x_i \vee y_i)_{i \in I}$
と置く。

任意の$i \in I$に対し、$x_i \le x_i \vee y_i$かつ$y_i \le x_i \vee y_i$だから、
$x \le z$かつ$y \le z$

即ち、$z$$x,y$の上界である。

$x,y$の上界$s = (s_i)_{i \in I}$を取る。

$x \le s$かつ$y \le s$だから、任意の$i \in I$に対し、$x_i \le s_i$かつ$y_i \le s_i$
即ち、各$i \in I$について$s_i$$x_i,y_i$の上界である。

$i \in I$について$x_i \vee y_i$$x_i,y_i$の最小上界だから、$x_i \vee y_i \le s_i$

従って、$z \le s$

よって、$z$$x,y$の最小上界であった。

従って、上半束の直積順序は再び上半束になる。
一方、非交和順序は上半束にならない。具体例は$1 \sqcup 1$など考えればよい。

射影は上半束準同型である。

$(P_i)_{i \in I}$を上半束の族とする。

$P = \prod_{i \in I}P_i$と置く。

$j \in I$を取る。
$(x_i)_{i \in I}, (y_i)_{i \in I} \in P$を取る。

$j \in I$を取る。

$\pi_j((x_i)_{i \in I} \vee (y_i)_{i \in I}) = \pi_j((x_i \vee y_i)_{i \in I}) = x_j \vee y_j = \pi((x_i)_{i \in I}) \vee \pi((y_i)_{i \in I})$

よって、$\pi_j$は上半束準同型である。

$\jslat$において直積順序と射影は直積の普遍性を満たす。

[直積]

$$ \xymatrix{ & & X \ar@/_1pc/@{->}[lldd]_{\alpha_P} \ar@/^1pc/@{->}[rrdd]^{\alpha_Q} \ar@{-->}[dd]|-{\alpha} & & \\ & & & & \\ P & & P \times Q \ar@{->}[ll]_{\pi_P} \ar@{->}[rr]^{\pi_Q} & & Q } $$

上半束の族$(P_i)_{i \in I}$と射影$\pi_j:\prod_{i \in I}P_i → P_j$を取る。
任意の上半束$X$と上半束準同型$\alpha_j:X→P_j$を取る。

[存在性]
$\alpha:X → \prod_{i \in I}P_i;\ x ↦ (\alpha_i(x))_{i \in I}$と置く。
$\alpha$は上半束準同型である。

この時、全ての$j \in I$に対し、$\alpha_j = \pi_j \circ \alpha$である。

[一意性]
全ての$j \in I$に対し、$\alpha_j = \pi_j \circ \alpha'$となる$\alpha'$を取る。

$x \in P$を取る。
任意の$j \in I$に対し$(\pi_j \circ \alpha')(x) = \alpha_j(x)$だから、$\alpha'(x) = (\alpha_j(x))_{i \in I} = \alpha(x)$

よって、$\alpha' = \alpha$

投稿日:9日前
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