特性類速習(Chern-Weilの定理,Chern類,Pontrjagin類,Euler類)
実ベクトル束の特性類であるPontrjagin類(ポントリヤーギン類)を説明します。実ベクトル束$E$を複素化して複素ベクトル束$E^\mathbb{C}(:=E\otimes\mathbb{C})$にしてそのChern類を使って定義します。$E$を実ベクトル束とすると、主$GL(q,\mathbb{R})$束$P$があり、$E=P\times_\rho\mathbb{R}^q$と表されます。また自然な埋め込み$GL(q,\mathbb{R})\hookrightarrow GL(q,\mathbb{C})$を用いて、$E^\mathbb{C}=P\times_\rho\mathbb{C}^q$となります。このとき
$E$の$k$次Pontrjagin類$p_k(E)$を
$$
p_k(E)=(-1)^kc_{2k}(E^\mathbb{C})\in H^{4k}_{dR}(M;\mathbb{R})
$$
と定義する。
Chern類の場合と同様に$GL(q,\mathbb{R})$不変多項式
\begin{align}
\det\left(tI_r-\frac{1}{2\pi}X\right)&=\sum_ig_i(X)t^{q-i},\\
X\in\mathfrak{gl}(r,\mathbb{R})
\end{align}
を考えると、$P$の接続を$A$とするとき、
$$
p_k(E)=[g_{2k}(F(A))]
$$
となることが簡単にわかります。
$E$にファイバー計量を入れると接続$A,F(A)$が$\mathfrak{so}(q)$に値を持つようにすることができます。行列式は転置をとっても同じなので
\begin{align}
\det\left(tI_r-\frac{1}{2\pi}\right)=\det\left(tI_r+\frac{1}{2\pi}X\right)
\end{align}
となるので、$g_{2k-1}(F(A))=0$となります。よって奇数次の不変多項式に対してPontrjagin類を考えても意味がないので定義しません。